Amazonで資生堂より無名シャンプーが売れる謎 無名ブランドが勝つのには理由がある
しかし、このピクチャリングとは、なにもデザインに限った話ではない。
「オルナオーガニック」の商品名に入った「オーガニック」という言葉は、同時期に売れたボタニカルシャンプーのBOTANISTというメーカーがはやらせた言葉だと筆者は考えている。
オルナオーガニックという商品名は、その“はやり言葉”が入っていることで、うまく認知されているようにも見える。
また、ナイルも商品ページを見ると「濃密泡スカルプシャンプー」とうたっているが、こちらもまた、アンファー社の「スカルプD」という人気キーワードが入っていた。
アンファーが広めたと思われる「スカルプ」という単語を使うことで、消費者にとって馴染みのある商品イメージを醸成しているのである。
“よさそう”から“よいに違いない”に
加えて、こうした“無名メーカー”の購入を後押しするのが圧倒的なレビューの数だ。
ナイルは点数が4.4でレビュー数が8000以上、オルナオーガニックも点数が3.9で7000以上のレビューが書かれている(2022年10月1日現在)。
ここまでレビュー数が多く、評価が高ければ、「悪いシャンプーであるわけがない」という消費者の印象を醸成することができるだろう。
「なんとくなく、よさそう」というイメージの醸成から「よいに違いない」という判断へ。
両メーカーの動きを見ると、大手メーカーのように数億円をかけた大々的なTVCMを打たずとも、Amazonという特殊な市場では、戦略的にジャイアントキリングが起こせることがおわかりいただけるのではないだろうか。
(構成:鈴木俊之)
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