Amazonで資生堂より無名シャンプーが売れる謎 無名ブランドが勝つのには理由がある

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しかし、このピクチャリングとは、なにもデザインに限った話ではない。

「オルナオーガニック」の商品名に入った「オーガニック」という言葉は、同時期に売れたボタニカルシャンプーのBOTANISTというメーカーがはやらせた言葉だと筆者は考えている。

オルナオーガニックという商品名は、その“はやり言葉”が入っていることで、うまく認知されているようにも見える。

また、ナイルも商品ページを見ると「濃密泡スカルプシャンプー」とうたっているが、こちらもまた、アンファー社の「スカルプD」という人気キーワードが入っていた。

アンファーが広めたと思われる「スカルプ」という単語を使うことで、消費者にとって馴染みのある商品イメージを醸成しているのである。

“よさそう”から“よいに違いない”に

加えて、こうした“無名メーカー”の購入を後押しするのが圧倒的なレビューの数だ。

Amazonのナイル商品のスクリーンショット

ナイルは点数が4.4でレビュー数が8000以上、オルナオーガニックも点数が3.9で7000以上のレビューが書かれている(2022年10月1日現在)。

Amazonのオルナオーガニック商品のスクリーンショット

ここまでレビュー数が多く、評価が高ければ、「悪いシャンプーであるわけがない」という消費者の印象を醸成することができるだろう。

「なんとくなく、よさそう」というイメージの醸成から「よいに違いない」という判断へ。

両メーカーの動きを見ると、大手メーカーのように数億円をかけた大々的なTVCMを打たずとも、Amazonという特殊な市場では、戦略的にジャイアントキリングが起こせることがおわかりいただけるのではないだろうか。

(構成:鈴木俊之)

田中 謙伍 EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO

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たなか けんご / Kengo Tanaka

慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。

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鈴木 俊之 編集者・ライター

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すずき としゆき / Toshiyuki Suzuki

1985年生まれ。専門は起業、新規事業、女性流行、若者流行など。女性視点のマーケティング理論「女性視点マーケティング®️」の導入・支援を行う株式会社HERSTORYが発行するメディア「HERSTORY REVIEW」編集部員。法政大学卒業後、出版社入社。月刊誌編集部を経て2015年独立。(https://herstory.co.jp/review

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