Amazonで資生堂より無名シャンプーが売れる謎 無名ブランドが勝つのには理由がある

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では、「よさそう!」と思うシャンプー(商品)とはなんだろうか。それは、検索時に上位表示され、かつレビュー数が多い商品のことである。

ナイルとオルナオーガニックの両メーカーはAmazonで検索上位に表示され、さらにレビューが多く点数も高い。よって、「検索上位に位置しているからよい商品に違いない」「レビュー数が多く、平均点が高いからよいに違いない」という“不協和解消型”の購買判断を消費者がしていると言えるのだ。

不協和解消型の心理

ここで「不協和」という言葉の意味を補足しておこう。不協和とは、正確には認知的不協和であり、人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語のことだ。

人はこれを解消するために、認知や行動を変更すると考えられている。 有名な例として、イソップ物語の「キツネとすっぱい葡萄」の逸話が知られる。キツネが高い木に生る葡萄を採ることができなかった後に、狙っていた葡萄に対して、「あの葡萄はすっぱくて美味しくないに決まっている」と自己正当化した、という物語がある。

このように、消費者がその商品そのものを見て良し悪しを判断するだけでなく、「検索上位に位置しているからよい商品に違いない」「レビュー数が多く、平均点が高いからよいに違いない」という論理で商品を手にする場合が、この不協和解消型の購買である。

シャンプーのような商品は、購入して使うまでは商品ページの情報をよく読んでも、よほど専門的な薬品成分知識がない限り、商品の機能的な違いがわからないだろう。

また実際に使ってみたところでも、本当に髪や頭皮にいいのかなどは実感を得づらい。だからこそ、検索ランキングが高かったり、レビューが高評価であることが購買の決め手になるのだ。

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