梅沢:僕自身は雑誌が大好きなので、軸足はしっかりと雑誌に置きつつ多方面へ派生していきたいなと思っています。イベントに関しては、「ヘドバン」という冠をつけるからには、参加者には、「間違いなく期待以上のものが返ってくる」みたいなイメージを、作っていきたいです。
「BABYMETAL」がいる日本のメタルは暗くない!
常見見:『ヘドバン』をネットメディアにまで広げる構想はあるんですか?
梅沢:公式サイトは作ろうと思ってます。ただ、紙と同じことは絶対にやりません。『ヘドバン』は文字組や紙の分厚さ、デザインすべてを引っくるめて『ヘドバン』だと思っているので。
常見:確かに。もし電子書籍で同じ内容、同じ値段で読めたとしても、少し味気ないと思います。
梅沢:これだけ重版し続けているので、紙だろうが、どんなに出版不況だとか音楽雑誌が売れなくなったとか言われていようが、面白いものさえ作れば、読者はついてくる、広告収入ではなくて実売で結果を出せることを示せていると思うんです。なので、この雑誌を通して、これからの音楽雑誌の生きざまを見せていきたいですね。
常見:非常に頼もしいです。出版業界だけじゃなく、日本のメタル業界で『ヘドバン』が担っているものも大きいと思います。BABYMETALがきっかけでメタルに興味を持った若いファンの受け皿が、現状ここにしかないので。
梅沢:大風呂敷を広げて考えると、もしこのまま日本でメタル人口が増えなければ、CDも雑誌も現状維持か右肩下がりだと思うんですよね。
常見:今の音楽業界やエンターテイメント業界全体が抱えている問題は、「若者に目が向いていない」というところです。経済的には正しいかもしれませんが、これじゃあ新しい文化や面白いものは生まれないでしょうね。気をつけないと、旧来のメタルファンから、高い入場料と、特典だらけのCDでむさぼりとるビジネスになってしまいますから。
梅沢:それこそBABYMETALがきっかけで新しいメタルファンが増えるなら、自ずとメタル系のCDだって雑誌だって売れるかもしれない。だから、BABYMETALの担っているものは大きいと思うんですよ。彼女たちのおかげで、一度メタルから離れた人も戻ってきているし、新しい若いファンもたくさん増えてきている。肩入れするわけじゃないけど、本気で彼女たちにメタルの未来がかかっていると思います。
常見:メタルの未来はそんな暗いものじゃなさそうですね。最後に、『ヘドバン』編集長としての目標を聞かせてください。
梅沢:ずっと出し続けていきたいですね。そして、BABYMETALからメタルに興味を持った人にはいつでも両手を広げていたいし、従来のメタル好きが読んでも納得するものは作っていきたいです。あとはやっぱり、常に「ヘドバン面白いね」、「ヘドバン熱い」「ヘドバンやってくれるな」とか、そういった声が途切れないようにしたいですね。
常見:ありがとうございました!
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら