「BABYMETAL快進撃!」の絶妙な仕掛け 雛型はPerfume、アミューズ流の戦略とは?

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今、BABYMETALを取り上げる理由は、2014年から各方面で話題の中心になっているから。なぜそうなったのか、そしてこれはどこに行くのかを考えるのが今回のテーマです(写真:AFP PHOTO / Taku FUJII / Amuse Inc. / TOY FACTORY)
作家・思想家の東浩紀氏をして「現代アイドル論の決定版」と言わしめた注目の書。
  日本経済の動向とアイドルブームに、驚きの関係があることをご存じだろうか? 1980年代アイドルから現代アイドルまでを丹念に振り返れば、この国の今、そして未来までもが見えてくる。アイドルを知ることはもうほとんどデキるビジネスマンの、少なくとも、残念なビジネスマンにならないための必須条件なのである。
 この連載は、「そんなことは信じられない」「バカバカしい」「アイドルに興味などない」と思うあなたにこそ伝えたい基礎知識、あるいは、アイドルへの再入門のための連載である。

第1回目では、どうしてビジネスマンがアイドルを学ぶべきなのかを5つの理由から説明し、第2回ではAKB48、第3回ではモーニング娘。、第4回ではももいろクローバーから、現代のグループアイドル戦略の由来と狙いに迫った。続く第5回では、アイドルとして、そしてメタルとしてのBABYMETALを分析する!

 

 AKB48モーニング娘。、そして前回は、ももいろクローバーZ(ももクロ)の話をしてきて、予告どおり今回はBABYMETAL(ベビーメタル)のことを取り上げるのですが、これがなかなか筆者にもチャレンジングなのです。その理由は、筆者がメタル(METAL)の人ではないからです。

つまり観点が、「アイドル戦略におけるBABYMETAL」にどうしても寄ってしまい、「メタルにおけるBABYMETAL」という感覚が鈍い。そういう意味では、筆者はBABYMETALのすべては語りえないのかもしれませんが、「ニワカ笑うな来た道だ」とも言いますので、BABYMETALファン(モッシュッシュメイト)の方々にはいろいろご容赦いただきたい、のであります。

前置きはこれくらいにします。それでも今、BABYMETALを取り上げる理由は、2014年から各方面で話題の中心になっているからであります。なぜそうなったのか、そしてこれはどこに行くのかを考えるのが今回のテーマとなります。

BABYMETALが話題になっている!

BABYMETALはSU-METAL(スゥメタル/本名・中元すず香)、YUIMETAL(ユイメタル/同・水野由結)、MOAMETAL(モアメタル/同・菊地最愛)の3人組のメタルユニット。メタルというのは、あの、ハードロックから派生したヘヴィメタルの、あのメタルです。アイドルがメタルをやる、それがBABYMETALの基本アイデアであり、そこで“HEAVYMETAL”をもじって“BABYMETAL”を名乗ったわけです。

このBABYMETALが、世界のメタルシーンでファンを拡大中です。YouTubeなどで支持をジワジワと拡大、そして2014年2月に発売したファーストアルバムの『BABYMETAL』がiTunesStoreにおいて米英など世界7カ国でロック部門のベスト10入り、米国のメタル専門サイトなどでも読者投票による2014年のベストアルバムに選出されるなど、高い評価を得たスマッシュヒットとなりました。

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