それは私自身が経験したことでもありました。私は新卒で生命保険会社に入社して、40代前半まではまずまず順調にやっていました。ところが40代後半に2年半ほど体調の悪い時期があって、休職と復職を繰り返しました。その結果、50歳のときには担当部長から平社員に降格となりました。
仕事も楽になり、帰ろうと思えば定時の5時に退社することができました。それまで「あんなことも、こんなこともやってみたい」と考えていたのに、いざ時間ができると何をしていいのかわからなくなりました。いかに自分が会社にぶら下がっていたかを思い知らされたのです。
試行錯誤の中の一筋の光明
最初に私が考えたのは、「会社を辞めて他の仕事に転じたら、どうだろうか」ということでした。新聞広告を見て「コンビニの経営者はどうだろう」と、大手3社のフランチャイジー募集説明会に行ってみたこともあります。また「実家の空きスペースで喫茶店はできないか」と考えて、喫茶店の経営を指導する学校のプレ講座に参加したこともありました。しかし、どちらもピンときませんでした。
そういう空虚感を抱えていたときに、新聞社を退職してミニコミ誌を立ち上げた人の記事を読んだことがきっかけで、会社員から異なる仕事に転身した人に話を聞き始めました。そうすると面白くなって止められなくなりました。自分が求めているもののヒントがあるように思えました。また取材を続けるうちに自分が元気になっていきました。
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