先日、英会話セミナーのランチ休憩中に受講生たちと話していたときのこと。デザートタイムに突入し、ソフトクリームを食べていたハナコさんが不思議なことを言い出したのです。
「アイスクリームのコーンって、ぜんぜんトウモロコシ感がないですよねー」
「いやいや、ソフトクリームの『コーン』は、トウモロコシじゃないでしょ!」とすかさず突っ込むタロウさん。ところが、ハナコさんは理解できなかった様子で、「トウモロコシじゃない『コーン』?」と首をかしげていました。
今回は英単語のカタカナ表記について考察してみます。元の英語の発音を意識して、表記に一貫性を持たせたら、日本人の英会話力アップの一助になると思うのですが……。さて、皆さんはどう思われるでしょうか。
コーンはコーンでも
ハナコさんと同様にアイスクリームコーンの「コーン」をcorn(トウモロコシ)と勘違いしている方はいらっしゃいますか。
英語で書くとアイスクリームコーンはice cream cone。「コーン」は「コーン」でも「円錐」という意味のconeなのです。「三角コーン」や「カラーコーン」でおなじみの「ロードコーン」と同じ。こんなふうに混乱してしまうのは、どちらもカタカナで「コーン」と表記するからだと思いませんか。
英語での正しい発音を見てみると、このふたつの単語は母音が異なるのです。
アメリカ発音ではcorn(トウモロコシ)の母音は/ɔɚ/という音。/r/を帯びた母音の/ɚ/はカタカナでは表現しづらいですが、同じ母音の入ったdoor(扉)/dɔɚ/は「ドア」と表記しますので、「コアン」と書くのがいいかもしれないですね。イギリス英語のcornでは/ɚ/の音が入りませんので、「コーン」という表記のままでいいでしょう。
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