アイスのコーンはとうもろこし?への英語的回答 英語学習者を混乱させるカタカナ英語の罪

✎ 1〜 ✎ 86 ✎ 87 ✎ 88 ✎ 89
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

次に、アメリカ式に変更した場合の/ɔɚ/を見てみましょう。通常カタカナでは長音記号が使われますので、比較して考えてみてください。

長音記号の表記に慣れているので、違和感は否めないかもしれないですね。これは賛否両論というか、反対のほうが多いでしょうか……。でも、「ドア」や「スコア」がOKだとするなら、本来はそれほどおかしい表記ではないはずなんですけど、やはり慣れの問題ですかね。

気になるもうひとつの母音

カタカナの表記を変えてほしい例はたくさんあるのですが、今回は筆者が気になっている母音をもうひとつだけ取り上げます。

/oʊ, əʊ/と同様、二重母音なのですが、/eɪ/という音。例えば「テープ(tape /teɪp/)」や「プレーン(plain /pleɪn/)」などの単語に含まれてる母音です。

これも「イ」を使って表記するほうが、より元の発音に近くなるのでお薦めなんです。現在、カタカナでは長音記号を使うか、「イ」を使うかが慣例に従って不規則なんです。同じ発音なのに、表記が矛盾している例をあげてみます。

このランダムさは、たまらなく気持ちが悪い!せめてどちらかに統一できないものでしょうかねぇ……。

例えば、女性向けファッションブランドのkate spadeは、どちらの単語も/eɪ/という母音なのに、カタカナで書くと「ケイト・スペード」。せめて一貫性だけでも保つとしたら、「ケート・スペード」か「ケイト・スペイド」じゃないですか。ともあれ、上記の例のうち、通常は長音記号で書いているものを「イ」に変えて表記してみますので、違和感チェックしてみてください。

やっぱり、古い文学作品のようなシュールな感じがしますか。でも、英語の発音的にはこのほうがいいと思うんです。まぁ、これは一英会話講師の密かな夢にすぎないのかもしれませんが、それが叶わないにしても、さすがに一貫性だけは欲しいものです。

この連載の一覧はこちら

さて、冒頭のハナコさん、アイスクリームコーンの「コーン」は、「円錐」という意味の「コウン(cone)」だというのを説明すると「初耳~!」と喜んでいました。

「そしたら、『とんがりコーン』も『とんがりコウン』てことですね!円錐ですもんねー」とひとり納得した模様。

ハナコさん、水を差すのは忍びないのですが、実は「とんがりコーン」は「とんがりcorn」なんです……。はい、「トウモロコシ」のほうです。

箱田 勝良 英会話イーオン 教務部 チーフトレーナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はこだ かつよし / Katsuyoshi Hakoda

1972年静岡県熱海市生まれ。1995年筑波大学国際関係学類卒業、株式会社イーオン入社。

講師として、これまでに約1万人を教える。スクールの講師を経た後、法人部教務コーディネーターとして、多くの企業の研修カリキュラム企画と講師を担当。楽天の社員の英語力研修も担当した。TOEIC(R)テスト990点満点、実用英語検定1級。

学生時代には1年間の留学以外には海外経験なしで、日本に住み暮らしながら英語力を飛躍的にアップさせた。その自身の経験を基に、現在は教務部のチーフトレーナーとして、イーオン全体の講師の研修やカリキュラム立案に関わる。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事