どんな勉強をしていても、1回ですべてを覚えられるのは天才だけです。1回聞いてやってみたら全部できる、なんて天才は、東大の中にもいません。
ですから、1回覚えたこと、実践したこと、難しかったところなどを振り返って、「復習」していく必要があります。
でも、復習ってつまらないですよね。
だって復習は、1回やったことのある、もう知っている部分も多いことを、もう1回やらなければならないわけです。やっぱり二度手間に感じられて、つまらないものです。
ですが、「同じことを何度も実践する」ことにこそ、意味があるのです。
例えば、一流のスポーツ選手がやっている練習は、そのスポーツの初心者、もっと言えば小学生がやっている練習と、内容自体はそれほど変わらないことも多いです。
サッカーでは一流の選手も初心者も等しく、対面のパス練習やシュート練習をします。プロ野球選手やメジャーリーガーも初心者も同じように、素振りをしたりノックを受けたりするのです。
練習の中身自体は、プロも初心者も、そこまで大きくは変わらない。すごい人は、何か特殊な練習をしているわけではなく、むしろ普通の人と同じ練習をしていて、それなのにすごい結果を出すことができるのです。
「復習の質」が上達のスピードを決める
なぜそんなことが起こるのかというと、同じ練習でも、練習の質が普通の人とは全然違っているからです。
サッカーのパス練習を例に考えてみましょう。1回目のパスは左から相手選手に詰められていることを想像しながら蹴ったけれど、ちょっとタイミングが遅かった。それを振り返って、2回目は「次はもっと早いタイミングで蹴ってみよう」と考え、やってみる。これが「復習」です。こうすれば、2回目と1回目のパスは、一見同じ練習でも、質が全然変わってくるはずです。
復習は、「ただ同じことをすること」ではありません。復習とは「1回やったことを振り返って、改善策を考え、改善策を試してみるための行為」なのです。だから、同じ練習に見えても、1回練習した初心者と1万回練習して1万回改善を試しているプロとでは、その質に天と地ほどの差があるのです。
たとえ東大生であっても、まったく新しい分野の勉強をするときの勉強の仕方は、東大生以外の人とまったく変わらないと思います。それでも東大生の「学ぶ速度」が速い理由は、復習を通じて改善するスピードが速いからです。
他の人が違うことを実践している間に、東大生は復習をしっかりとして、質を爆上げしているのです。
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