嫉妬に狂う弟子を諭した「立川談志」本質突く名言 自身の経験に基づく教訓「現実は正解なんだ」

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人生の壁を乗り越えてきた偉人たちのエピソードを紹介します(写真:keiphoto/PIXTA)
逆境、苦難、理不尽――。そんな「人生の壁」をどうやったら乗り越えられるのか。参考になるのが、偉人たちの考えや行動です。東洋経済オンラインで『近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体』を連載中の著述家で、偉人研究家の真山知幸氏が、もがき続けるうちにブレークスルーしたり、風向きが変わったりした3人の生き方を紹介します。
※本稿は『あの偉人は、人生の壁をどう乗り越えてきたのか 視野が広がる40の考え方』を一部抜粋・再構成したものです。

立川志らくに嫉妬していた立川談春

これだけ努力しているのに、自分以外の人間ばかりがうまくいく。あまりに理不尽でどうしても納得できない。そんな経験を人生では何度となくするものだ。立川談志の弟子である立川談春は、立川志らくが入門してきたときに、まさにそんな感情を抱いていた。

志らくは入門当初から談志に気に入られており、こんなことまで言われている。

「あのな、今度来た志らくは変な奴だぞ。毎晩俺の夢に出てくるんだ」

一方の談春は、17歳のときに高校を中退して談志に弟子入り。志らくよりもキャリアは1年半、上回っている。

しかし、談春が兄弟子として注意しても志らくは「私は、自分のしたくないことは、絶対にしたくないんです」と平然と答える。さらに自分が気に入られているのをよいことに「師匠はわかってくれています」と口にするのだから、談春としても生意気な弟弟子に心を乱されたことだろう。

そんなある日、談志は談春の胸中を見透かして、「お前に嫉妬とは何か教えてやる」と言って、次のように説いている。

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