米名門校が「子どもにランク付はしない」納得理由 天才が出続ける学校が考える自信の持たせ方

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シリコンバレーの名門校「ハーカー・スクール」の卒業生はファッションデザイナーやIT起業家、スポーツ選手など多彩。「ブランド大学」に行くことが人生や学校の目的ではないという同校には独自の教育方法がある(写真:ハーカースクール提供)

シリコンバレーで「スタンフォード大に最も近い学校」と呼ばれる学校がある。1893年にスタフォード大学初代学長のデビッド・スター・ジョーダン氏によって設立されたハーカー・スクールだ。幼稚園から高校まで約2000人の生徒が通う同校は、学術分野だけでなく、ファッションデザイナーやスポーツ選手など多様な分野で活躍する人材を輩出。かつてはマーク・ザッカーバーグの妻で、慈善家のプリシラ・チャン氏が教師をしていたことでも知られ、シリコンバレーの経営者たちがこぞって子どもを入れたがるという学校の教育は何が違うのか。同校の事務局長を務めるジョー・ローゼンタール氏に聞いた。

「いい意味で偏りがある」生徒を育てたい

――ほかの学校とはカリキュラムがだいぶ違うそうですね。

ハーカーが設立した時の目的は、将来的に高い教育を受けられる準備をするための学校を作る、ということでした。ユニークなのは個々に特化したカリキュラムを組み立てられるところにあります。ほかの学校が「オールラウンダー」の育成を目指すのにたいして、私たちはむしろ「いい意味で偏りがある」生徒を育てたいと考えています。

具体的には、生徒が自ら受ける授業などを「カスタマイズ」できるのが特徴です。英語、理科、数学、そして第2外国語の授業は誰もが履修しなければなりませんが、例えば理科に興味がある子であればより多くの理系の授業をとることができます。一方、人文に情熱を傾けている子であれば、理科は必要最低限におさえて、人文系の授業をたくさん受けることができます。

――小学生の頃からですか?

実はそれよりも小さいときから「パフォーマンス・グルーピング」というハーカー独自の概念に基づいて教育をしています。これがハーカーを出た子たちが成功する基礎にもなっています。具体的には、英語や算数などその時点でのパフォーマンスに応じて3つのグループに分けるのです。もちろん、これは固定ではなく、その都度のパフォーマンスによって分かれます。

幼稚園でも3つのグループに分けて、最初の20分はすべてのグループが物語を聞く、といった同じことをします。話を聞いた後に、1つ目のグループはそこに出てくる登場人物の塗り絵をする。もう1つのグループは塗り絵をしてから、その人物を切り取って物語をイメージしながらボードに貼っていく。同じ物語を聞いて塗り絵をしてもすぐに終わって飽きてしまう子と、20分では時間が足りない子もいるのです。

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