米名門校が「子どもにランク付はしない」納得理由 天才が出続ける学校が考える自信の持たせ方

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実はさまざまなフォーカスグループを立ち上げて検証をしています。例えば、テクノロジー諮問委員会は、テクノロジーやコンピューター科学に特化したグループで、シリコンバレーを代表するテクノロジーの専門家、ハーカーの保護者、ハーカーの卒業生が入っています。これからテクノロジーはどう発展するのか、子どもにどういう技術を身につけさせればいいのか、どういう機器に触れさせなければいけないのか、などを検討してもらっています。

一方、生物学の委員会には最近、「バーチャルキャダバー(バーチャルの献体)」と呼ばれる機器の導入を強く勧められました。これは大きなスマートフォンのようなもので、本物の死体が出てくるんです。つまりホログラムのようなものです。CTスキャンで撮影した凍った死体を切り取って作ったものです。

私たちには実証済みの教育プログラムがあるので、基本的な教育方法がぶれることはありませんが、技術の進歩は早い。なので、数学や科学、歴史といった分野より技術系の分野でより新しいものを取り入れていくとは思います。

生徒側の変化で言えば、授業をただ聞いているだけではなく、より「起業家的なアプローチ」を望む生徒が増えていると思います。発表されたものをより分析し、なぜそうなるのか、ほかの授業で習ったこととどうつながるのか、より学際的なアプローチで問い掛けるような。

スティーブ・ジョブズは、テクノロジーと人文科学が交差する看板を掲げていたことで有名です。ハーカーもそういうアイデアを大切にしており、実際の学校施設にもそういう思想が反映されています。昔はサイロのように学部などが分かれていましたが、今ではそれぞれの分野のアイデアをつなげるようになっています。起業家精神にあふれた彼らは、そこで学んだことを応用して会社や新製品、新サービスなどを開発するのです。

教師は生徒とどうかかわるかが重要

――先生のトレーニングも大変ですね。

非常に大きな課題です。正直なところ、これが本校の核、つまり、私たちがやっている中で最も重要なことと言っていいと思います。

重要なのは彼らの教育方法や知識だけではありません。生徒とどうかかわるのか、そのスタイルこそが重要です。どんなに優秀な科学者であっても、ひどい教師ということもあります。すばらしい知識に加えて、コミュニケーション能力、対話能力、動機づけ、インスピレーションを併せ持つ教師でなければなりません。それが、素晴らしい教師であるためのカギです。シリコンバレーは物価が高いので、この点は大きな問題だと思います。

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