会員限定

「AfDが穏健なころに協働すべきだった」・・・政権与党に漂う悔恨、右派ポピュリズム政党との協力関係拒む「防火壁」で過激化したジレンマ【第4回】

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
AfD系首長が誕生したドイツ・ゾネベルク市内には玩具の町らしい看板があった(筆者撮影、以下同じ)

特集「右派ポピュリズムの牙城をゆく」の他の記事を読む

2025年7月の参議院選挙で参政党が躍進し、日本でも右派ポピュリズム現象が現実のものとなった。ドイツではすでに13年に結党された「ドイツのための選択肢(AfD)」の党勢拡大が続いており、AfDとどう対峙するかが政治の大きな課題になっている。
近年、旧東ドイツの地方自治体で、AfD系の首長の誕生が相次いでいる。そうした1郡長、3市町村長のうち、ザクセン州ピルナ市とテューリンゲン州ゾネベルク市を25年12月に訪ね、拡大の背景を探った。
第3回のゾネベルク市のAfD系ローベルト・ゼッセルマン郡長のインタビューから浮かび上がる考え方は、右派ポピュリズムに典型的といえるだろう。市民はどう見ているのか。

ゾネベルクは歴史的に玩具産業で知られ、「玩具博物館」も観光名所として内外から観光客を集めている。100年以上続く伝統的なテディーベアの工房と店を経営する「マルティン・ベーレン(ドイツ語で熊)有限会社」を訪ね、5代目の経営者ジナ・マルティンさんに話を聞いた。

「マルティン・ベーレン有限会社」の経営者、ジナ・マルティンさん

ドイツのための選択肢(AfD)の政治家が地方行政のトップとなったことで商売への影響はなかったのかと、まず質問したところ、「当初は(ドイツで初めてAfDの郡長が生まれたと)興奮状態で、メディアにもたくさん報道が出た。ゾネベルクは、もともとおもちゃの町であり、市の美しいイメージや外に向けての効果に負の影響が出た。ただ、売り上げが落ちたわけではなく、恐れていたほどは悪い方向に進まず、やがて正常化した」という。

「悪魔化も、危険の軽視もしない」

ゼッセルマン氏の行政への評価や、AfDに関する言葉遣いは慎重だった。

「彼とは接点がないが、問題解決のための対処が、つねに一番良かったどうかはわからない。いずれにせよ、いま郡は地域病院など厳しい問題に直面している。政治の分極化はわれわれすべてに影響を与えるし、良いことではない」

「私はこの政党を悪魔化も危険の軽視もしない。この政党が過激主義なのかどうか、どれほど危険なのか、はっきりわからない。重要なのは、道徳的な価値がきちんと体現されていることであり、協力するならばそのことが一番重要だ。その条件が満たされるかどうか、どう発展するかは注意深く見守らねばならないが、とても難しい、難しい」

彼女は「難しい」を繰り返した。AfDに関してはどのような発言をしても、AfD支持者、批判者のどちらかの反発を招くだろう。

次ページAfDに入党すると友人が離れていった
関連記事
トピックボードAD