米名門校が「子どもにランク付はしない」納得理由 天才が出続ける学校が考える自信の持たせ方

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そのため、教員寮の整備をはじめ、新卒の教員を採用できるよう、さまざまな取り組みを行っています。正直なところ、物価が高いシリコンバレーに来るように説得するのは難しい。それを実現することが、これからも私たちにとって最重要事項です。

教師にとって最も魅力的なのはハーカーの教育システムの中で子どもを教えることだとは思いますが、そのほかにもインセンティブを数多く用意しています。彼らが専門分野で磨きをかけることもその1つです。

そこで、ガスナ財団という生徒の保護者がやっている寛大な財団と通じて、教師の専門的な能力開発を支援しています。この中には一生に一度の経験をするための助成金制度があって、あるラテン語の教師はコロナ前にこれを使ってバチカンに1カ月滞在して、ラテン語を学びました。

子の自己肯定感を上げるのに必要なこと

――ハーカーでは子どもの自己肯定感を培うのに力を入れていると聞きましたが、日本では子どもも大人も自己肯定感が低いことが大きな課題となっています。

シリコンバレーは、学校だけでなく、家族や地域社会においても企業家精神、自分の考えや自らに自信を持つことが尊重されているので、自己肯定感という点ではほかの地域に比べてアドバンテージがあるかもしれません。

私は日本に何十年も通っており、日本文化も大好きですが、自己肯定感という点においては課題があるという認識は持っています。日本社会は良くも悪くも同調することが重要だと認識しています。例えば、日本では周りの空気を読んでから発言をすることが大事だと教えてもらったことがあります。

子どもたちに自信を持たせるうえでカギとなるは私たちが「レーザービーム」と呼ぶ手法です。たとえ完璧でなくても彼らが心地よく思えるように親や教師、そして生徒がネガティブな反応をしないことです。

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