痛風から感染症まで「恐竜」の最強とは程遠い実態 骨から「病気」や「雌をめぐる闘いの痕跡」を発見
恐竜や古生物は「強い」イメージがありますが、彼らもふつうの生き物。その生涯の中で、ときには病気にかかり、ときにはケガをして、あるいは恋の努力に勤しんで、日々を生きていました。これまで多くの研究者が恐竜や古生物の化石に注目し、分析を重ねて推理してきた結果から、そんな懸命な生きざまがわかってきたのです。たとえば圧倒的な強者として大人気のティラノサウルスの中には、現代人にもおなじみの「痛風」に悩まされた個体がいたようです。
『ほんとうは“よわい恐竜”じてん それでも、けんめいに生きた古生物』より一部抜粋・再構成してお届けします。
ティラノサウルスも苦しんだ「ザ・肉食」こその病気とは?
全長13メートルの巨体。大きな顎による噛む力は、陸上動物として史上最強といわれています。陸上生命の歴史全体を見渡しても、圧倒的な「強者」。それがティラノサウルスです。
そんなティラノサウルスも、病気とは無縁ではありませんでした。
たとえば、ティラノサウルスのある個体は、痛風に悩まされていたことがわかっています。
痛風は、現代日本人でも、多くの人びとに発症している病気です。おもに足の関節が腫れ、数日間にわたって激しい痛みに襲われます。ティラノサウルスの骨にも、痛風の痕跡が見つかっているのです。
ヒトの場合、痛風の原因は、高カロリーの食品や、赤身の肉を食べすぎたり、アルコールを飲みすぎたり、水分不足だったり、運動不足だったりとさまざまです。恐竜時代にはアルコールはありませんが、そのほかの理由は、ティラノサウルスにもあてはまりそうです。
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