痛風から感染症まで「恐竜」の最強とは程遠い実態 骨から「病気」や「雌をめぐる闘いの痕跡」を発見
「石頭恐竜」として知られるパキケファロサウルスも、その硬い頭を使って、ときには恋のライバルと火花を散らしていたようです。
ケガを負うまで身内で頭突きし合ったパキケファロサウルス
パキケファロサウルスは、頭頂部が大きく膨らんだ恐竜です。この大きな膨らみの中には、分厚い骨がありました。この分厚い骨の頭を使って、頭突きをしていたと考えられています。そのようすから、「石頭恐竜」と呼ばれることもあります。
もっとも、分厚い骨の〝石頭〟とはいえ、頭突きばかりをしていたら、怪我をしてしまったようです。
パキケファロサウルスや、その仲間の頭骨の化石には、頭頂部に傷がついていたり、その傷が原因で病気(感染症)にかかっていたりした痕が残っているのです。なかなかどうして、頭突きをするのも楽ではなかったみたいですね。
しかし、どうして、そこまでして頭突きをしていたのでしょう?
骨に傷がつき、しかも、感染症になる危険があるなら、頭突きなんてしなければいいのに……。
パキケファロサウルスやその仲間は植物食ですから、「頭突きをしないと生きていけない」ということはないはずです。
実は、ある研究によると、頭頂部に傷のあるパキケファロサウルスの仲間は、おとなの雄ばかりだそうです。
そのため、パキケファロサウルスやその近縁の仲間たちは、〝身内〟で頭突きをしていたのではないか、との指摘もあります。植物食であっても、交尾のための雌をめぐる闘いや、縄張り争いがあり、そのために頭突きをしていたのではないか、というわけです。
いかがでしたでしょうか? 恐竜や古生物たちの「リアルな日常」に触れると、彼らがもっと身近な存在になりませんか?
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