日本人に「やる気を失わせた」コロナ禍2年の大罪 ここぞ!でモチベーションを上げる意外な方法

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その第3のやる気と言われるギャップモチベーションとはなんなのか──。

たとえば、終電で帰ろうとしていたときに、駅のホームにつくと、最終電車が発車しようとしていたとします。そのときに、人はどんな“行動”をとるでしょうか?

多くの人はまず、間違いなく、走ると思います。

ここで重要な質問があります。

そのときにあなたは“やる気を出して”から走ったでしょうか?

やる気なんて関係なく、乗り遅れる!マズイ!と思って走ったはずです。

これが、第3のやる気、ギャップモチベーションの正体です。

脳神経科学の言葉で「予測差分」という言葉があります。

私たちの脳は予測をして、その予測と現状に差があると、そのギャップを埋めようとします。

先ほどの例だと、終電で帰るという未来の予測と、最終電車に乗り遅れそうになっているという現状の差を脳が認識したので、その差を埋めようと勝手に脳が私たちを動かしてくれたのです。

ギャップモチベーションは、やる気のあり、なしに関係なく、私たちを動かしてくれるので、最強のモチベーションとも言えます。

コロナが収束しても「やる気」が復活しない3つの理由

しかし、コロナ禍の生活により、このギャップモチベーションが生まれにくい深刻な状況になっています。

1 「超短期思考」がギャップモチベーションを殺す

このように、ギャップモチベーションは、未来とのギャップから発生することが多いものです。しかしながら、コロナにより、今日、明日ばかりを気にする思考が私たちに埋め込まれてしまいました。

つまりは、長期目線で自分たちの未来について、いつの間にか考える時間が極端に減ってしまっていたとも言えます。

未来とのギャップを脳が感じなければ、そのギャップを埋めようと行動も促してくれません。

私たち自身が今後どうなっていきたいのか?ということに想像を膨らませなければ、コロナが収束したのに、なんかやる気出ない、ということになってしまうでしょう。

言い方を変えれば、私たちが超短期思考になっていることに気がつきさえすれば、コロナ前のような生活とともに、私たちのやる気も戻ってくるとも言えます。

あなたは最近、自分自身の未来について、時間をとって考えたことはあるでしょうか?

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