藤井ブームに沸く将棋界と経済界の「意外な接点」 黒子役の銀行マンが語る将棋界の「次の一手」

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では佐竹氏は、将棋界の未来をどう見ているのか。

「世界に広がるネット社会と将棋というゲームは相性がいい。これからは、アジアを中心に国際化を図っていくことも必要だ」(佐竹氏)

現在、将棋連盟には世界37カ国に支部がある。アメリカ、中国、台湾、韓国はもちろんだが、ロシアやベラルーシ、ウクライナにも支部があり、活動も盛んだ。こうした国々ともうまく付き合いながらどう国際化を進めていくかが重要だ。

裾野をどう広げるか

他方、将棋は囲碁に比べ、ファン層の年齢が若い。棋士になるには、原則26歳で四段に昇格できなければ、将棋界を去らなければならない厳しい制度がある。少子高齢化が進む社会で、将棋人口の裾野をどう広げていくかも課題だろう。

2022年6月には、豊田自動織機の大西朗社長、リクルートHDの峰岸真澄会長、国立公文書館前館長で富士電機元会長の加藤丈夫氏が将棋連盟の顧問に就任した。もともと非常勤理事には関西電力の森詳介元会長、フジテレビジョンの遠藤龍之介副会長、経済同友会の岡野貞彦事務局長・代表理事らが名を連ねており、今後、こうした経済人との意見交換の場が設けられる。

長い歴史と文化を担う棋士たちと佐竹氏ら経済人の視点発想が融合し、「次の一手」をどう指すのか。将棋界は新たな局面に入っている。

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写真は左から上野愛咲美女流棋聖、藤沢里菜女流本因坊、謝依旻七段。画像をクリックすると記事にジャンプします。

 

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森 創一郎 東洋経済 記者

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もり そういちろう / Soichiro Mori

1972年東京生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科修了。出版社、雑誌社、フリー記者を経て2006年から北海道放送記者。2020年7月から東洋経済記者。

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