Z世代の8人組コント「ダウ90000」のスゴい実力 南キャン山里や東京03も絶賛、ABC決勝に進出も

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ところがコロナ禍でのこの2年近くは、コントユニットを取り巻く環境も変わりつつある。スマートフォンの普及もあり、YouTube動画やインスタライブ、ツイッターでの告知など、SNSを通じて手軽に発信できるようになった。

また公演のライブ配信によって、実際の来場者とは別の収益を得られるうえ、その感想がSNS上で話題となってさらに視聴者を増やすという現象も起きている。大所帯の活動でもうまく運用すれば、収益を上げることができるような環境になったのだ。

お笑い界の環境も変わった。かつてよりも、芸能事務所の垣根を越えたバラエティに富んだライブイベントが盛んになり、今まで以上に多くの舞台で活動できる機会も増えている。また、テレビマンや同業者が演劇的なコント師に対して「格好つけてる」「お笑いじゃない」といった偏見を口にするような状況もなくなり、さらには仲の良いグループが支持される時代となった。

不遇の時期と恵まれた環境を経験

コロナ禍で結成されたダウ90000は、有観客ライブが懸念されたもっとも不遇な時期に活動をスタートした一方で、お笑い界の変化や、SNSの普及で、もっとも恵まれた環境で活動できているともいえる。

ダウ90000は、「演劇」の観点からみると歯切れの良いツッコミが入る見やすいもので、「コント」の観点からは大所帯なうえ人物描写や演出、構成がよく練られている。このバランス感覚が、どこまで広く受け入れられるのか。引き続き注目したい。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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