谷頭:三宅さんを作ったのは、まさにブックオフという環境だったんですね。
ブックオフのエモさと、それでも潜む愛好家たち
谷頭:ただ、こうやってチェーンストアを大きく話題にすることってなかなかないですよね。あんまり他人とチェーンストアの話とかしないし。
三宅:ブックオフにしても、友達と行くよりもやっぱり自分ひとりでフラッと行く場所ですよね。だから、 周りがどれぐらい行ってたのか知らないですね。でも、『それを読むたび思い出す』の感想で、意外とブックオフの部分に言及してくれる人が多いんですよね。みんなひとりでふらっと行ってたのかな、と思います。
谷頭:じつは潜伏してるんですよね。
三宅:そう、わざわざ言わないんですよ。
谷頭:「これからブックオフに行きます!」とか友達に言いませんしね(笑)。隠れキリシタンならぬ、隠れブックオフ好き、みたいな感じで、意外とそこかしこに潜伏している可能性があると思います。
これは伝わるかわからないんですが、自分は「ブックオフの異様に明るい店内」ってのを想像しただけで、なんだか“エモさ“を感じるんですよね。
三宅:あ、すごいわかります。あそこでしか接取できない、謎の明るさ栄養分がありますよね。
谷頭:その感覚を理解してもらえるのはすごくうれしいです。”エモ”って漠然とした感覚だから、言い切っていいのかって不安で。でも、ブックオフに対してこういうエモーショナルな感情を抱いてる20~30代ぐらいの人って、結構いるんじゃないかなと思うんですよね。
三宅:やっぱり、みんな10代の時によく使ってた場所にはエモさを感じるんじゃないですかね。ブックオフっていうと、どこにでもある感じがするけど、故郷のあの場所にあった「あのブックオフ」っていう具体的な場所が思い浮かぶからこそ、懐かしさを覚えて、エモく感じるんじゃないかなと。
谷頭:各々の思い出にとても具体的に関わっているからこそエモく感じられるし、それはある意味では故郷の風景なのではないか、と。面白いです。
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