ブックオフ「こだわり皆無な売場」が逆に新しい訳 ネット社会で感じる「オススメしてこない魅力」

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意図のない売り場が、一周回ってこのネット時代では「新鮮さ」を生んでいるようです(筆者撮影)
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古本屋チェーンとして一世を風靡し、現在ではCDやDVD、家電やブランド品なども扱う総合リユース店として知られるブックオフ。創業当初は「出版文化を破壊する」存在として、業界内外から批判されることも多かったが、今では10~30代の若者から「エモい場所」「原風景の一部」として支持を集めている。
連載第3回となる今回は、ブックオフが持つ「意図のなさ」の意義について、ブックオフについて語られたテキストや他の書店空間との比較から考えていく。

高校生DJも「テンションがアガる」ブックオフの空間

本連載第1・2回では、書評家の三宅香帆氏、そして高校生DJのTelematic Visions氏との対話を通して、現代のクリエイターにとって、ブックオフの空間がいかに重要な役割を果たしてきたのかを見た。

とくにTelematic Visions氏の以下の発言は、ネット上でも多くの賛同を集めた。

「110円棚コーナーにあるような漫画って図書館には置かれないじゃないですか。それはブックオフならではだなあって感じがしますよね。(中略) 資本主義の残骸みたいな(笑)。そういうのがたくさんあるので、自然とテンションがアガるんですよ」

あとは今の時代って、ネットでは常にアルゴリズムが働いて、おすすめの商品がおすすめされてしまうじゃないですか。Amazonでなにかを買うときも、YouTubeで音楽を聞くときも、常にそうです。でも、ブックオフってそういう感じがなくて、ある種の乱雑さがある。そういうのが面白いし、予想してなかった出会いがあると、僕は思うんですよ

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