「SPY×FAMILY」がここまで人気を呼ぶ納得の訳 キャラの魅力、絶妙なストーリー、笑い、そして感動

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(画像:YouTube「TOHO animation チャンネル」【主題歌解禁】TVアニメ『SPY×FAMILY』本予告/2022.04.09 23:00~ ON AIRより)

今年4月から12回(シーズン1)にわたってテレビ放送やネット配信されたアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)が、各方面で話題を呼んでいる。

テレビ放送を受け持ったテレビ東京では、6月末の定例社長会見でシーズン1のタイムシフト視聴率(放送7日間以内に再生された視聴率)が、ドラマ、バラエティーを含めた同局の過去最高を更新したことが明らかにされた。ネットではNetflix、Amazonプライムビデオ、AbemaTVなどの主要動画配信プラットフォームをすべて押さえている。

10月からはシーズン2も控え、コラボ企画も各所で展開している。なぜここまで一気に人気を獲得できたのか、キャラクターやストーリーの作り方から、その魅力を徹底解剖したい。

(※ここから先はネタバレを含みますので、『SPY×FAMILY』をこれから初めてご覧になる予定のある方はご注意ください)

『SPY×FAMILY』は「少年ジャンプ+」という集英社のマンガアプリで、2019年3月より連載開始され、ランキング1位を独走する超人気作品だ。

ざっとあらすじを確認しよう。TV舞台となるのは、冷戦のドイツを思わせる架空の国。コードネーム黄昏(たそがれ)というスパイが主人公だ。彼は所属する組織の命を受けて、敵国の指導者に接触するために、偽装家族を作って子どもをとある学校に入学させようとする。

主人公が精神科医「ロイド・フォージャー」と名乗り、作戦を遂行する過程で出会ったのが、アーニャとヨルという2人の女性。娘となったアーニャは他人の心が読める超能力者であり、妻となったヨルは敏腕の殺し屋という訳ありの3人なのだが、それぞれに秘密を抱えた疑似家族生活が描かれていく。

『SPY FAMILY』はなんと言ってもこの3人のキャラクターが魅力だ。

父はスパイ、母は殺し屋、娘は超能力者という偽装家族

キャラクターの魅力というのは、基本的には「期待に応える」ことで生まれる。もちろん、外見や性格によって感じる魅力もある。しかし、そういった要素は、「期待」を生むためのフリと考えるとわかりやすい。

つまり、剣術が優れていれば、その力を使って悪い奴をやっつける瞬間を期待する。期待を抱かせておいて、見事に敵をやっつけるシーンが描かれると、そのキャラクターに対して魅力が強く生まれるのだ。

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