宮崎駿に「ナウシカ」作らせた男の凄いハッタリ 鈴木敏夫の想い詰まった「仕事道楽」の魅力

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宮崎駿(写真右)に『風の谷のナウシカ』を作らせた鈴木敏夫(写真左)とは?(写真:時事通信フォト)
世界に名だたる日本アニメ界の巨匠・宮崎駿。彼が代表作『風の谷のナウシカ』を作れたのはある1人の男の尽力が欠かせなかった。バラエティプロデューサー・角田陽一郎の新著『読書をプロデュース』より、宮崎駿が『風の谷のナウシカ』を作れた理由についてお届けします。

誰かと何か一緒に仕事をするとき、僕はその相手の想像力を想像します。ある仕事があって「やれますか?」と聞くと、軽く「やれますよ!」と受けたものの、いざ始めるとやっぱりできなかった人がいます。

もしかしたら、あなたにも経験があるかもしれませんが、それだけならまだしも、できない言い訳をあれこれ並べられたことってありませんか?

でも、あなたはもちろん、そういった諸々の理由込みで、始まる前に「やれますか?」と確認したのだと思います。

本当にやれるのか、希望としてやれるのか、両者は圧倒的に違います。結局、その実現までのプロセスをディテールまで想像できるのかという想像力が、両者を隔てているのだと思います。

例えば、面白い企画をたくさん言ってくれるのですが、そのほとんどは実現不可能という放送作家がいたとします。でも、そのアイデアが仮にどれほどすばらしいものであっても、企画は実現できなければ意味がないでしょう。

また、出た結果に文句を言う人もいます。その中には、だいたい「なぜそうなったのか?」という想像力を働かせていないケースも見受けられます。

例えば、小説やマンガなどの原作があるドラマで「何で主役は俳優Cなんだ? Dのほうが原作に合っているのに!」という声、聞いたことはありませんか?

テレビ番組の制作現場の裏側を明かしますと、実はほとんどのケースで、当のスタッフたちだってDさんのほうが合っているなんてわかっています。

では、何でCさんだったのか? それは、Dさんに断られたから。当事者にとっては、すでに通過した議論だったのです。

読書を面白くする秘訣

こういう事例は、コンテンツが成立する過程が想像できていないことと、その事実に無自覚なことから生じていると思います。

コンテンツが成立する過程まで想像でき、つくり手の“想い”まで共有できる本を読めば、読書ががぜん面白くなり、仕事も面白くなってくるはずです。

例えば、みうらじゅんさんの『「ない仕事」の作り方』はおススメしたいです。みうらさんは「仏像ブーム」や「ゆるキャラ」など、それまで世の中に“なかった仕事”を企画していますが、彼のアイデアが生きるのは、実は営業や宣伝など含めて、すべての人間関係を自分でケアしてきたからなのです。

そんな人が自分の仕事術を丁寧に明かしているのですから、まさに自分で何かを生み出したい人、必読です。

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