パート比率が増え始めた時代と、世の平均給与が上がらなくなった時とはほぼ一致します。既婚男性の所得だけが突出して高いように見えますが、既婚男性の所得ですら30年間ほとんど上がっていないという状況であるとも言えます。
ここでひとつシミュレーションをしてみます。未婚の年齢別男女がそれぞれマッチングして夫婦となり、個人年収を単純に合算して世帯年収を構成したものと仮定した場合と、同様に既婚者を合算(ただし、専業主婦の夫婦もいることを勘案して、無業女性も含む)した場合の世帯年収、さらに、実際に夫婦である世帯(夫婦のみ世帯・夫婦と子世帯)の世帯年収とを比較したものが以下のグラフです。
50歳以上の「夫婦と子世帯」の世帯年収だけが大きく乖離しますが、それ以外は、ほぼ各年齢で同額となりました。
シミュレーションから見えてくるもの
もちろん、この通りに未婚男女が同じ年齢層同士で夫婦となる保証もないし、全員が平均年収であることもあり得ないので、あくまでシミュレーションではありますが、それでも昨今の夫婦は同い年近辺の年齢同類婚が増えているのであながち大きくズレているというものでもないでしょう。
つまり、男女それぞれの個人所得と夫婦それぞれの所得というものを比べると、不思議と一人当たりの年齢別平均所得はほぼ変わらないことになります。
一体、どういうメカニズムが作用しているのかは不明ですが、これを見る限り、男女の格差、未既婚の格差というよりも、男女未既婚関係なく一人当たりの所得ベースでみると、少なくとも40代まではほぼ変わらず、同じなのだということです。
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