家賃4万円風呂なし、AV女優の過酷すぎる貧困 16年前と比べて月収は85%も減っている

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絶望的な負の連鎖に巻き込まれるAV女優は、深刻な収入減となっている(写真は本文とは関係ありません: Graphs / PIXTA)
2016年3月、自らの意思に反してAV作品に出演させられた女性たちの存在を女性支援団体が発表。その後、被害者の告発が相次いだことで、「AV出演強要問題」が社会に表面化した。AV女優たちの仕事とAV業界に、いったい何が起きているのだろうか。東洋経済オンラインの連載「貧困に喘ぐ女性の現実」でおなじみの中村淳彦氏の最新刊『AV女優消滅』からその実情をあぶり出す。

 

AV女優はお金になる、稼げる。簡単に価値が認められる仕事の代名詞として、ずっと世間に認識されてきた。しかし、その定説は完全に崩壊している。

カリビアンコムなどの無修正動画サイト、XVIDEOSなどの無料無修正動画サイトの横行で深刻な客離れが起こり、長年若者には見向きもされていない。AVをDVDやダウンロードで購入する客層は主に40代以上、メインは団塊世代と市場はどんどんと小さくなっている。

メーカーは利益を確保するため、製作費を下げながらタイトル数を増やし、供給過剰でいくらでも替えが利くAV女優は使い捨てとなる。1本あたりの売り上げは全盛期の6割、7割ダウンという状態で、さらに国内だけでなく、海を渡って海賊版がバラまかれているので、もう手に負えない。正規版が売れない上に、世界中の膨大な人々に無料鑑賞されているのでお金にならない。当然、AV女優の出演料の原資となる製作費は下がり続ける。絶望的な負の連鎖に巻き込まれるAV女優は、深刻な収入減となっている。しかも、いつまでも底打ちしない。

家賃4万円の風呂なしアパートに暮らすAV女優

「マジで貧乏。キッツイ生活。ほとんど贅沢しないけど、最低限の生活でお金がなくなって。食べ物を買うお金にも困ることが頻繁にある。だから食べ物は、賞味期限が切れていても普通に食べるし、この前は2年前のチョコを食べてお腹を壊したし。電気とかガスとか、最悪なときは水道も止められちゃう。当然、携帯は毎月止まっちゃうし」

厳しすぎる状況の中で、ついに上位層である企画単体女優の貧困が始まってしまった。2016年末の取材である。

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