こうして見てしまうと、逆になぜ既婚男性の年収だけが高いのか?という点が気になります。
「結婚できる男性は年収が高いから」という結婚の因果とからめて推論しがちですが、むしろ「結婚した男性は稼がざるを得なくなる」という見方もできると考えられます。
専業主婦世帯と夫婦共働き世帯の比率は逆転して、今やほとんどの夫婦が共働き世帯であるといわれていますが、共働き世帯といってもフルタイム共働き夫婦と一方がパートタイム共働き夫婦というものがあります。
推移を細かくみると、フルタイム共働きの割合は1985年からほぼ一定で、増えているのはパートタイム共働きであることがわかります。
自発的・非自発的のパートタイム比率
これを、女性はもっとフルタイムで働きたいのに働ける場がないからだという声も聞くのですが本当でしょうか?
OECDの仕分けによるパートタイム就業の自発的・非自発的の比率の推移をみると、2020年はコロナ禍という特殊事情があったためですが、それを除外すれば、おおむね2009年以降約10年間にわたって非自発的パートタイム就業率は減り続けています。
つまり、これは、本当はフルタイムで働きたいのに不本意ながらパートを余儀なくされているというより、望んでパートを選択しているという結果とみるべきで、その要因は、本来夫の稼ぎだけで回していけないから、不足分を妻が稼ぐという構造なのだと考えられます。
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