目からウロコ「夏休みの自由研究」乗り切る4手順 無理なく、子どもの探究心と論理力も伸ばす

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調べた結果、疑問が解消されないこともありますが、それでも問題ありません。調べるというプロセスこそが大切であり、結果は二の次と考えておくといいでしょう。実際、論文を書くような学者でもわからないことは、「残された課題」として最後に記述していることがあります。

(4)フォーマットに合わせて書いていく

以上、調べる段階が終了したら、次のフォーマットに合わせて書いていきます。

①テーマ

先ほど出した「3つのなぜ」をまとめてテーマとします。例えば、前述のお城のケースであれば、「〇〇城の3つの謎」とします。そしてそれをテーマに選んだ理由を書きます。例えば、「幼稚園のとき、おじいちゃんに連れて行ってもらった〇〇城からお城に興味を持った」「〇〇城だけ他のお城と✕✕が違うことに興味を持った」などです。

②調べ方

いつ、どのように調べたのかを書きます。

③調べてみてわかったことや、要約や、まとめ

「3つのなぜ」を書き、それを調べてわかったことを書きます。図や写真、イラストも入れていきましょう。それらが入ると楽しく取り組めて、見る人にも伝わりやすくなります

要約部分ですが、まとめることができなければ、「この自由研究で、要するに何がわかったの?」と問いかけてみてください。するとまとめることができます。

④残された課題

今後の疑問について、次につなげたい問いを書きます。「次は〇〇についてもっと調べてみたい」など、今後の課題を書きます。

⑤出典

いわゆる参考文献です。その他、協力者や調査場所を明記します。

以上、このようなフォーマットに沿って書いていくと構造的になり、それらしく、またわかりやすくなります。また論理的に組み立てることになるため、国語の文章読解力の向上にもつながったりします。

以上のようなプロセスを一度経験すると、来年の自由研究も同じプロセスでやるだけですから、子どもが自分で自由研究を自主的に行うことができるかもしれません。

このようにして、夏休みの課題を、毎年の「親の悩みの種」にするのではなく、「子どもの探究心と論理力がつく機会」と捉えてみると、自由研究は親子にとっての有益な時間になると思います。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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