あなたにも出来る!社労士合格体験記(第26回)--机に置かれた離婚届にただ呆然
私にとって2005年はNHKでの仕事が決まった年であり、社労士試験にも初挑戦した記念すべき年。ただ、妻にとってはいわゆる「厄年」といってもいいほど、大変な年でした。私の社労士試験も終わった9月、彼女は地下鉄の駅トイレにしゃがんだ途端、運悪く膝の半月板にヒビが入ってしまったのです。
そして、松葉杖生活の後、膝が何とか良くなってきた10月半ば、右目に異常が発生します。目の水晶体が大きくはずれてしまう病気で、早々に手術という診断。妻は左目だけの生活を余儀なくされました。
そんな落ち着かない中、私のほうは行政書士試験も10月23日に迫ってきました。でも、妻の病状も心配なうえ、仕事もこなさなければならず、なかなか勉強には集中できませんでした。
続く妻の災難
その後も妻の災難はさらに続き、今度は酷使した左目に稲妻が走りまくるような強烈な痛みを覚えます。診断によれば、右目以上に大きくはずれてしまった水晶体のせいで、目の内部がショックを起こし、激痛を伴うとのこと。聞いただけでも痛そうで、私も身の毛がよだつ思いでした。
目の調節機能を失った右目以上に、左目が緊急状態。水晶体を割り、一部組織と共に除去する手術をすることになりました。手術は特殊な機械と高度なテクニックが要求されるため、専門病院でも執刀医は限られています。
目玉にメスを入れるなんて、はたで聞いていても恐ろしいことです。当の妻はいつもどおり、表面上はケロッとしたものでしたが、実は相当思い悩んで、人生一大事の覚悟で入院したようでした。
妻が入院した当日、仕事から帰ると、なんと机の上に「これまでありがとう」という手紙と、私が判を押せば提出できる離婚届が用意してありました。私はただ呆然。手術が成功しても、これまでとは生活が変わってしまうということを、妻がここまで思いつめていたとは思ってもみませんでした。
離婚時の年金分割
ところで、厚生年金保険法には離婚をした場合の年金の分割についての規定が、ここ数年で加わりました。背景には、専業主婦が離婚後に厚生年金をまったく受け取れないというのでは、家事・育児などの寄与分の配慮に欠けるということがあります。