知ると便利「膨大なデータから潜在顧客見抜く」技 データを類似性で分類する「クラスター分析」

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ビジネスに役立つ「クラスター分析」の基礎について解説します(写真:MediaFOTO/PIXTA)
ビジネスにおけるデータの分析や活用がますます重視される中、ビジネスパーソンが身につけておきたい素養の1つが「統計」です。数式を使った複雑な計算をしなければならないと考えがちですが、必ずしもそんなことはありません。また基本的な考え方を知っておくだけでも、冷静な判断がしやすくなります。
そんな「統計」の基礎を身につけるための短期連載第8回(最終回)は、「クラスター分析」について解説します。
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マーケティングのターゲットをどうやって決める?

前回の記事(『知ると驚く「消費者の内面がデータでわかる」秘策』)では、潜在的な要因を特定する因子分析を紹介した。これは、普段の生活や考え方などに関するアンケート調査の回答を基に、似た項目をまとめた「健康志向」「節約志向」といった因子(潜在要因)を特定、抽出する手法である(表1)。

(外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

表1:各回答者の因子得点データ(例)

回答者 因子1:健康志向 因子2:簡便志向 因子3:節約志向
A -0.45 1.60 0.37
B 1.89 0.11 3.11
C 2.31 0.24 0.69
D 0.89 2.87 -0.21
E 0.09 -0.32 2.02
F 0.54 0.66 0.24

これによって、消費者の内面にある価値観を指標として扱うことができるようになった。本来であれば、この価値観指標を1人ひとり見ていき、マーケティング施策のターゲットにするかどうか個々に決めたいところだ。

10~100人程度のデータであればこのやり方は十分可能だろう。これが仮に1万人のデータとなると、データを1人ずつ見てターゲットにするか決めるのを1万人分繰り返すというのは、作業量が膨大すぎて現実的ではない。

そこで、全体的な傾向を基に回答者をいくつかのグループにまとめたいと考える。例えば「健康志向は強いが節約志向は弱い=健康食品・サプリへの投資を惜しまない層」「健康志向も節約志向も強い=健康は意識しているができるだけ低コストに抑えたい層」などが想像できる。

こうしたグループを作れれば、データが多くても施策のターゲットを絞りやすい。施策が効きそうな層のみをターゲットに絞ることで、コスト削減と費用対効果の向上が見込めるだろう。

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