「教育困難大学」に来る学生の残念な志望動機 必然的に起きる「5月病」に苦慮する教員たち
かつて、大学生の「5月病」が社会的関心を集めたことがある。厳しい受験勉強を経て大学に入ってから約1カ月が経ち、当初の高揚感も薄れ始めた頃、新しい環境が期待とは異なることから目標を喪失し、意欲を失う学生は少なくない。
5月頃から授業に参加しない学生
「5月病」は、最近では大学生よりも新入社員に使われることが多くなった印象があるが、それは、大学が入学に厳しいハードルを課さなくなってきたことの表れかもしれない。それでも、学生募集に苦労し多様な学力の学生の入学する、いわゆる「教育困難大学」では、やはり5月頃から授業に参加しない学生が現れる。ただ、そこに至る心のメカニズムは従来の「5月病」とは異なるようだ。
こうした大学に不本意ながら入学した学生の一部は、2回目の授業の頃から通学しなくなる。中には、「親に、とにかくどこかの大学生になってほしいと言われてとりあえず入学したが、別の大学を再受験するので受験勉強をする」と最初の授業で教員に宣言する学生もいる。来なくなる学生の多くは、自分の学力ならこんな大学では授業など出席しなくても大丈夫と勝手に判断して、欠席を重ねるようになることが多い。
また、一応その大学を志望して入ったはずの学生の中にも、欠席しがちになる者が目立ち始めるのもこの時期だ。当然のことながら、そうなる学生は表面的な志望動機で入学した学生が多い。
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