「学習困難」な生徒が、あえて大学に行く理由 低偏差値高校の実績作りに利用されている?
「教育困難校」に進路指導のお手伝いに伺うと、「大学進学を目指す生徒が少しでも増えるように、大学進学のメリットを話してください」と、しばしば頼まれる。こう求めてくる教員は、管理職や学校改革の責任者になっている教員が多い。
高校を評価する基準は、大学進学率?
現在、世間が高校を評価する基準は、大学進学率が唯一といっても過言ではない。15年ほど前から、少子化を受けて全国各地で高校の再編成が行われている。再編成といっても、進学校の存続はまったく問題にされない。存続か廃校かの危機にさらされているのは、やはり「教育困難校」である。
学校をマネジメントしなければならない立場の教員が、とにかく大学進学率を上げ、世間の評価を少しでもよくして生徒募集につなげようとするのは当然であろう。ごく一部の分野を除いては、専門学校への進学は高校のPRにはならないのだ。しかし、とにかく1人でも多く大学に行かせたいという願望は、生徒の適性や能力を無視し、学校の都合を重視したものでもある。このような立場の教員にとっては、大学は自身が勤める高校の評価を上げる手段にすぎない。
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