知ると驚く「消費者の内面がデータでわかる」秘策 直接的な把握が困難でも「因子分析」で浮き彫り

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ビジネスに役立つ「因子分析」の基礎について解説します(写真:ほんかお/PIXTA)
ビジネスにおけるデータの分析や活用がますます重視される中、ビジネスパーソンが身につけておきたい素養の1つが「統計」です。数式を使った複雑な計算をしなければならないと考えがちですが、必ずしもそんなことはありません。また基本的な考え方を知っておくだけでも、冷静な判断がしやすくなります。
そんな「統計」の基礎を身につけるための短期連載第7回は、「因子分析」について解説します。
この連載の記事一覧はこちら

潜在的な価値観を「因子分析」で特定する

昨今、モノや情報があふれる環境にあり、消費者の価値観は多様化している。一般的には、性別や年代といった属性で分けて消費者の行動の傾向を把握することが多いが、それだけでは不十分だ。消費者をより正確に把握するには、その人の価値観や志向を理解する必要がある。

例えば、同じ40~50代男性でもお茶の選び方はさまざまあるだろう。健康に気をつけている人は特保系のお茶を購入しやすいだろうし、節約を心がけている人ならばプライベートブランドの安価な商品を選びやすいだろう。忙しくて仕事に集中したい人ならば、そもそもお茶ではなくコーヒーになるかもしれない。

別の例で考えると、同じ20代の女性であっても、流行志向の女性がInstagramのハッシュタグ検索で見つけたカフェに行く一方で、定番志向の女性は行きつけのいつものカフェに行くかもしれない。

このように、同じ属性の人であっても、志向性によってその行動が変わってくると容易に想像できる。しかし、課題は「高級志向」「流行志向」といった消費者の内面をどうやって把握するか、という点である。

そうした際に用いられるのが「因子分析」という統計手法である。因子分析は多くの変数を説明することができる少数の変数を探り出すための手法で、消費者の行動や考え方に関する項目を聴取したアンケートを分析して潜在的な価値観を特定する、という使い方をされることが多い。本記事ではこの因子分析を紹介していく。

次ページ因子分析はもともと心理学の分野で発展
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事