免許歴20年超の運転にデータ分析で見えた弱点 トヨタ「モビリタ」で安全運転プログラムを体験

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運転に慣れていると思っている人でもデータで客観的に見てみると意外な弱みを発見することも(撮影:正久 仁)
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運転から遠ざかっていると久しぶりであるという緊張感が先に来る。平静さが大切であるとわかっていても、いざステアリングを握ると必要以上に力を込めてしまうことはよくあることだ。ガチガチに身体が固まってしまい移動先に着いたらぐったり疲れてしまった、という読者もいるだろう。
そんな運転に対して苦手意識を持っている人はもちろん、運転に自信がある人にも知ってほしいドライビングのキモ。交通コメンテーターの西村直人氏とモータージャーナリストの藤島知子氏による3回連載のレポート、3回目をお届けする。

モビリタは多彩なプログラムを用意

トヨタ交通安全センターとして、2005年に静岡県の富士スピードウェイの敷地内に設立された安全運転の体験型施設『モビリタ』にお邪魔することになった。それというのも、先日、交通コメンテーターの西村直人さんが、「コロナ禍で運転から遠ざかっていたドライバーが多いから、安全運転を見直す場があることを伝えたいね」という、世の中でいま起こっている問題に目を向ける彼らしい提案がキッカケで、今回の体験会の参加が実現したのだ。

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感染リスクを避けながら、移動できる手段として、クルマの価値が見直されている。再び運転にチャレンジしようという人にとっては、感覚を取り戻すことも大事であるし、運転に不慣れな初心者にとっては、痛い思いをして経験を積むというにはリスクが高すぎる。また、運転歴が長く慣れているつもりであっても、突然出くわす状況に安全に対処できるかというと、それも難しいのかもしれない。

ちなみに、私自身は普段からさまざまなクルマを運転する機会が多いほうだ。富士スピードウェイに訪れる機会は年に20回は超えるのだが、モビリタが一般向けに行っているプログラムに参加したことがなかった。

モビリタは開設当初から、企業向けに安全運転の講習を開き、個人向けのプログラムを開講していることは知っていたものの、今回の取材を機にモビリタのホームページを改めて開いてみたところ、驚いた。いまの彼らの取り組みは、運転席からの死角の確認や正しい運転姿勢の確認、フルブレーキ、低μ(ミュー)路の走行にとどまらず、トヨタ「86」やGRヤリスといった人気のスポーツカーのハンドルを握ってタイムトライアルが楽しめるなど、じつに多彩なプログラムが用意されているのだ。

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