免許歴20年超の運転にデータ分析で見えた弱点 トヨタ「モビリタ」で安全運転プログラムを体験

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富士スピードウェイの広大な敷地内にモビリタはある(撮影:正久 仁)

いま走っている広い敷地の特設コースはぶつかるモノがないからいいが、これが一般道で歩行者や障害物が間近にあるリアルな交通環境を想像すると、衝突事故につながってしまう。ヒヤリとするシーンに出くわしてみると、こうした施設で安全を確保しながらリスクを体感できることは意義深いと思った。滑りやすい路面に四苦八苦しながらも、クルマを操縦する楽しみをにわかに感じ始めたところで、2本の走行は終了。ここからは建屋に戻って、いま走ったデータをもとに解説してもらう。

テーブルの上に用意されたモニターで、まずは、自分自身のハンドルさばきや足元のペダル操作を撮影していた動画から確認。女性ドライバーである私の場合、男性と比べて身長が低いため、シートを前寄りにスライドして運転姿勢をとっているのだが、踵(かかと)を床に固定した状態でブレーキペダルとアクセルペダルを踏み替えるときに、ペダルを操作する足の角度が斜めになりがちになっていることが判明した。

ペダルの角を踏んでしまっていた

インストラクターは、「ペダルの角を踏んでしまっているので、なるべく正面から踏むことがスムーズな操作につながる」と指摘。それを解決するためには、足の可動範囲を広げるために、踵の位置を考えてみたほうがいいという、具体的なアドバイスをもらった。

確かに、クルマによって、足元に窮屈さを感じることを自覚したことはあったものの、実際の走行映像で足元の状態を確認したのは初めて。男性と比べて、比較的小柄な女性の体格からすると、シートのスライド位置とペダルの高さの関係で、足を置く角度に制約があるのも事実なのだが、できる限り無理のない操作ができる角度でペダルが踏めるように努めることは、無理なく操作を行う運転姿勢を取るうえで重要なことだと気づかされた。

次に、G-Gダイアグラムと呼ばれる機器で計測したデータを確認する。これは、ハンドル操作の角度、アクセルやブレーキの踏力や踏み込んでいるタイミング、車速の上下、車体の前後左右にかかったGの軌跡を確認することができる。

インストラクターが同じコースを走ったデータと比べてみることで、自分自身の運転操作の状況をコースレイアウトと重ね合わせながら確認することができるのだが、私の運転は、滑りやすく慣れていないコースだけに、予測に反してクルマが挙動を乱すと、運転が場当たり的なものになり、操作が煩雑になる傾向があった。

次ページミスはグラフ上に描かれた波に表れていた
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