知ると驚く「消費者の内面がデータでわかる」秘策 直接的な把握が困難でも「因子分析」で浮き彫り

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因子分析は、もともとは心理学の分野で発展してきた統計的データ解析手法の1つである。マーケティングの現場では、先程の例に挙げた高級志向、流行志向のような「価値観」もしくは「潜在意識」や、価格力やブランド力といった「商品やサービスへの評価」などを把握するために使われる。

マーケティング以外にも、知能テストの各設問の得点から「論理的思考力」「発想力」「読解力」といった能力を見出すなど、直接測定することが難しいものを広く特定することができる手法である。

因子とは何かしらの結果を引き起こす要因を意味しており、各項目(変数)に共通した要因である「共通因子」をデータから見つけ出すのが因子分析の目的である(※)。

※正確には、各項目に共通して背後にある要因の「共通因子」と、ある項目独自の要因「独自因子」の2つによって、実際のアンケート結果が表されていると考える。本記事内で「因子」という場合、基本的には「共通因子」を指す

例えば、スーパーマーケット来店者1000人へのアンケートに「①脂肪・糖質・コレステロールに気を遣う」「②カロリーに気を遣う」「③栄養バランスを整えるようにしている」という3項目があったとしよう。

それぞれ「強くそう思う」5点、「そう思う」4点、「どちらともいえない」3点、「あまりそう思わない」2点、「まったくそう思わない」1点で回答してもらうとする。

直接的な聞き方だと回答傾向がぶれる懸念

因子分析では、これらの項目の点数を左右する何らかの共通因子が背後にあると考える。例えばこの共通因子が「健康志向」というものだとして、これが強い人は①から③の得点が高くなるだろう、と考えるのである。

これを実際に明らかにするために、①~③のアンケート結果を統計モデルに当てはめて共通因子を特定する。

複数の項目を基に共通因子を特定するなど回りくどいことをせず、「健康志向が強いかどうかを直接聴取してしまえばいいのでは?」と考える方もいるかと思う。

しかし、そうした直接的な聞き方だと質問内容が漠然としており回答しづらいため、回答傾向がぶれてしまうという問題が発生してくる。より具体的で回答しやすい①~③のような複数の質問を聴取して、共通性のある質問から「まとまり」として価値観を数値化するほうが安定するのである。

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