たとえスカイプ会議の相手が外国語で話していても、音声、または画面に出るテキストで同時通訳してくれる――。そんな夢のようなシステムが現在実験展開中で、今年中にも一般化していきそうだ。
これはアメリカのマイクロソフト社が、傘下のネットチャット・通話ソフト会社スカイプと共同で現在プレビュー版を提供しているもの。音声通話では英語とスペイン語、テキスト翻訳では日本語を含む40カ国語以上に対応していく。
1月末に行われた同社の技術方針説明会では、日本マイクロソフトの加治佐俊一CTO(最高技術責任者)が、この翻訳新サービス「Skype Translator」で2015年中にも日本語対応を実現すると言及している。
なぜ日本の企業ではないのか
この新潮流に対し夏野剛氏は、「英語が苦手な日本人にとって、大きなことだ。特に外国語でビデオコミュニケーションをするうえで、画面に字幕を出す形で翻訳をすることは、誤認率を飛躍的に下げることにつながると思う。音声にこだわるより、ずっと実用化に近い仕組みが示されたのでは」と語る。
しかし一方で、「なぜ日本企業からではなく、語学にもっとも苦労していないアメリカの企業からこのようなアプリケーションが出てくるのかと、残念に思う」と夏野氏。社内の英語効用化などでいちばん英語に苦労しているのは日本人であり、なおかつ音声解析や翻訳エンジンなどの技術開発も、各所で進められているはずだと話す。
「語学が苦手とされる日本人こそ、真に見える形になるまでサービス開発を実現してほしい。技術、おカネ、人材という経営の“三種の神器”は日本に全部そろっている。企業の豊富な内部留保を使って、ぜひ自分たちの問題を解決してほしい」(夏野氏)。
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