「IoT(インターネット・オブ・シングス)」という言葉を聞く機会が増えている。家電をはじめ、あらゆるものがインターネットにつながることを指すこのIoT、大小さまざまな企業が次世代の成長軸として注目している。
その中で一つのポイントになるのが、MVNO(仮想移動体通信事業者)だ。MVNOとは、自社では無線通信インフラを持たず、他者のインフラを借りて音声通信やデータ通信のサービスを提供する事業者のこと。国内の回線数は2014年3月に約1500万、9月に約2000万と急増している。格安スマホブームの“起爆剤”になったのも、このMVNOだ。
大手の「ものづくり企業」がMVNOになる意味
こうした分野に乗り出しているのは、なにもベンチャー企業だけではない。昨年10月には、パナソニックがMVNOとしてドコモから携帯回線を借り、法人向けサービスを展開することを発表。タブレット端末を始めからSIMカードを伴った形で販売することで、ビジネスシーンのあらゆる手間を省く機能を低価格で提供することを目指すという。
これに対し夏野剛氏は、「MVNOはメーカーにとってこそ大きなチャンス。今まで(日本メーカー)はものづくりとネットをうまくつなげたサービス展開が出来なかったから、たとえばソニーはiPodを作れなかった」と指摘する。
特に今後期待が高まるのは、個人が利用する家電製品だ。「こなせる顧客がなかなかいないような特別な設定が必要だったところから、もともとSIMチップを入れて勝手に通信させるというキンドル型のサービスが可能になる」(夏野氏)。
最後に夏野氏は、「すべてのメーカーがドコモなどの携帯電話会社に遠慮することなく、ものづくりと通信が一体となった垂直統合型の新サービスを手掛けて欲しい」と熱く語った。
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