日本の人口分布が変容を続けている。2月初旬に総務省が発表した2014年の人口移動報告(住民基本台帳に基づくデータ、外国人は除外)によると、東京をはじめ神奈川、埼玉、千葉の首都圏3県と、愛知、福岡、宮城の合計7都県を除き、すべての道府県から人口が流出していることがわかった。
人口の一極集中が進むことを危惧する報道が相次いでいるが、夏野剛氏は「本当に、そんなに問題なのだろうか」と疑問を投げかける。
目指すべきは、国土全体の効率を上げること
「東京に集中して、何が悪いのか。東京に人口が集中することで、ほかの地域を低い地位におとしめることにはならない。むしろ東京が日本経済の全体を底上げしているということは否めようがないし、東京が勢いを失うことは日本全体にとっていいことかどうかわからない」(夏野氏)。
2010年からは、日本全体の人口が減少に転じている。この局面において夏野氏は、従来とは違う都市と地方の位置づけを改めて考えるべきと語る。
「高度成長期には道路を整備し、エネルギーを整備し、均衡ある国土の発展というものが基本方針としてあった。でも、これは人口が増加しているから必要であったわけで、減少傾向にある今は、人口を拠点都市に集約し、国土全体の効率を上げることこそ求められているのではないか」(夏野氏)。
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