いよいよ本格的な議論のスタートだ。経済財政諮問会議では、2020年度の財政健全化目標を達成するための具体策を今年夏までに策定するべく、議論を始めた。1月30日に開催された経済財政諮問会議では、経済再生と財政健全化の両立を図りつつ、地方行政サービス改革と社会保障サービス改革に取り組む必要性が示された。
「たたき台」のペーパーに、「削減」の文字見当たらず
地方行政サービス改革と社会保障サービス改革が示された「国民的な取組による経済再生・財政健全化に向けて」と題した民間議員ペーパーでは、次のような具体例を挙げている。
地方行政サービス改革の具体例では、地域経済活性化への取組促進、広域行政(ごみ・し尿処理、介護保険等)による効率化・利便性の向上、先進課題(空き家の再利用市場創造、過疎地教育等)への取組促進などが挙げられている。また、社会保障サービス改革では、病床再編、ジェネリック医薬品の利用促進、投薬の適正な管理、健康管理努力などにより節約される医療・介護費用の一部を、当該地域の医療・介護負担の抑制等につなげる仕組みを構築する、などが挙げられている。
これらは、いずれも重要だ。しかし、この1月30日の民間議員ペーパーには、「削減」という文字が1度も使われていない。
次いで、2月12日に開催された経済財政諮問会議では、「経済再生・財政健全化の基本的考え方」と題した民間議員ペーパーで、2020年度の基礎的財政収支黒字化に向けて、「経済再生と財政健全化の双方を実現するためには、相当の改革努力が必要である。」と示した。
また、「財政健全化は、①デフレ脱却・経済再生、②歳出改革、③歳入改革の三つの柱で進める。」と財政健全化策の1つとして、歳出改革を挙げている。にもかかわらず、この民間議員ペーパーにも、驚くべきことに「削減」という文字は1度も使われていない。
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