「ご当地アイドル」疾走、発信力に行政も注目 あのAKB48グループも新潟に拠点を築く

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福岡・天神で公演するLinQ。オリコンCDランキングでは10位以内の常連だ

あの国民的アイドル、AKB48で、国内5つめのグループが地方に誕生する。これまでは東京(AKB48)、名古屋(SKE48)、大阪(NMB48)、福岡(HKT48)と、4大都市に展開してきたが、今度は今年10月、日本海側にある新潟で、何と「NGT48」を結成するというのだ。

「市内なのか、県内なのか。われわれも調べたが、まったく情報がない。(AKB48の運営)事務所に問い合わせてみたが、まだ返事はありません。ですが地元は、おおむね歓迎するムードです」(新潟商工会議所総務課長)。

 その一方で、「新潟には『Negicco』、『RYUTist』、『がんぎっこ』といったグループがいて、独自のアイドル文化が根付いている。新潟が選ばれたことは光栄なのかもしれないが、警戒感もある」。こう不安げに語るのは、自身もAKB48在籍時の篠田麻里子ファンだったという、上杉知之・新潟県議会議員だ。

日本には現在、1000弱ものアイドルグループ(以降、「アイドル」とは女性アイドルグループを指す)が活動しているというが、まだ地方にアイドルが育つ余地はあるのか。地方色豊かに活動する小規模な「ご当地アイドル」を中心に、東京や大阪の大手事務所が手がける地方在住グループまで、日本のローカルアイドルの現状と今後を追った。

アイドル文化が花開く、福岡や名古屋

福岡・天神。家電量販店の11階ホールでは、毎週土日、同地に拠点を置くアイドルグループ、「LinQ」の公演が開かれる。2日間で約700人もの集客力だ。2013年にはワーナーミュージックと契約し、メジャーデビューを果たした。オリコンCDランキングで最高2位も獲得し、地方発のご当地アイドルとして、いま最も成功した例である。

アイドル専門局「下北FM」(東京・下北沢)でメインMCを務める大蔵ともあき氏は、「名古屋や福岡など地方都市が熱い。特に福岡は30ものグループがしのぎを削る最激戦区」と分析する。大手芸能事務所のホリプロは、2010年から毎年12月、ご当地アイドル1位を決める「U.M.U AWARD」を主催。2014年優勝者の「乙女の純情」も福岡出身であり、「4度目の挑戦で目標を達成できた。次はCDデビュー」(リーダーの恋子)と夢を語る。

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