
今回話を聞いたのは大学病院でのいわゆる「お礼奉公」を経験した、看護師で保健師の前田美香さん(仮名・43歳)。
奨学金の中には、看護職や理学療法士の仕事に就く意思がある者に対して、奨学金(修学資金・貸付金とも)を貸与する、いわゆる看護奨学金と呼ばれる制度がある。看護学校や医療系の学校に通い、卒業後に指定の施設で働けば、奨学金の返還額の全額または一部が免除される。
3きょうだいの末っ子で、奨学金が必須だった
「奨学金を借りた理由はふたつあって、まず、私が3人きょうだいの末っ子だったこと。父は就職氷河期に就職活動を経験したため、『これからどうなるかわからないから、医療系の資格は絶対持っとけ』と、3人の子どもたちには医療従事者を勧めて、実際に3人ともその道に進んだんです。
でも、姉と兄の進学に際して結構な金額のお金を使ってしまって、私の分は残されてなかった。また、私が中学・高校の時に母親が入院していて、その入院費が結構かさんでいたのも影響しました」
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