「奨学金440万円」女性が親に勘当された仰天理由 返済免除の予定だった「看護奨学金」の落とし穴

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「『よくやった! もう、言うことはなにもない』と言われましたね……。いただいた200万円はありがたく心理学や自己啓発、昔から興味があった音楽の勉強に使いました。もう、ネットワークビジネスには使っていませんよ(笑)。

でも、奨学金を完済してからは、趣味に高じるようになり、音楽の専門学校に入り直しました。そこでDTMの勉強をしたり、2年前からはYouTubeに動画投稿も始めて、今ではチャンネル登録者数も2000人を超えています」

奨学金で「お金の仕組みを学べた」

現在、前田さんは看護師、保健師として働くほか、音楽活動は趣味にとどまらず、最近では講師もしているという。

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仕事に趣味に自由に生きているようだが、ネガティブに捉われがちな奨学金を借りたことで、「お金の仕組みを学べた」と振り返る。

「奨学金を借りたことに後悔なんてないです。というのも、奨学金を借りたことで、自己投資ということを学べたからです。何かを成し遂げるために、先に投資するというのは、非常に大事なことで、そのあとでそれ以上のことが返ってくるのですよね。

自己投資して一生懸命生きて、学んで、仕事した結果、自分は多くの看護の技術と知識を身につけましたし、さらに看護とは別の音楽などの知識や技術も身についたので、今は金銭的にも精神的にも、非常に潤った生活を送れています」

一時はネットワークビジネスで、貯金を溶かしてしまった前田さんだが、コツコツ働いて、お金を貯めて、自己投資を続けたことで、安定した収入を叶えた。落とし穴も紆余曲折もあったが、それらも彼女の場合は糧になっているようだ。

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千駄木 雄大 編集者/ライター

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せんだぎ・ゆうだい / Yudai Sendagi

編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。奨学金、ジャズのほか、アルコール依存症に苦しんだ経験をもとにストロング系飲料についても執筆活動中。奨学金では識者として、「Abema Prime」に出演。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)。原作に『奨学金借りたら人生こうなる!?~なぜか奨学生が集まるミナミ荘~』がある。

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