合理的!「部活を外部委託」する学校の緻密な手順 聖学院中学校・高等学校が行う改革の中身
顧問や監督によるパワハラや虐待が続々と明るみに出ている学校の部活動。部活動は教師の休日出勤や長時間労働にもつながるため、働き方改革の面でも問題をはらんでいる。
「土日は練習試合や公式戦でほぼ潰れる」という先生
都内のある私立中高では長年勤めた教員の退職が迫る中、その教員が担当してきた高校野球部顧問の引き継ぎ手探しが難航していた。
「土日は練習試合や公式戦でほぼ潰れます。(外部団体とのやりとりなど)書類も多いため、授業の準備や学校経営と並行して行うには負担がかかりすぎるんです」と、この学校に勤める教員は漏らす。
こうした部活動の負担は長年、暗黙の了解のように扱われてきた。私立学校の場合は休みの日の出勤には休日出勤手当がつくものの、休みはなくなる。活発な部活動の顧問になれば、盆と正月以外は休みが取れないという状況にもなりかねない。
家庭のある教員ならば、家族との時間を犠牲にせざるをえなくなる。「最近は、顧問を引き受けたがらない先生のほうが多いです」と、前出の教員は話す。
顧問の責任の重さも、引き受け手が減る原因となっている。部活動を行う夕方の時間は職員会議が入ることもあり、顧問が活動に立ち合うことができないこともある。そんな中、部活動中に起きた不慮の事故が原因で、生徒が死亡した事件も。裁判で学校と顧問教諭の監督責任が問われ、学校の設置責任者や顧問に対して過失責任があったという判決が出たケースもある。
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