アンケートの結果を、エクセルにプロットした(図1)。
●図1
(外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
事象「購入意向率」と要因「価格」には、何か関係が見出せそうに思える。この関係を客観的に明らかにする手法の1つが、回帰分析である。
回帰分析を行うと、次に示されるような“直線”を得ることができる(図2)。この直線は、要因「価格」の変化に応じた事象「購入意向率」を表している。
●図2
①(データ分析アドオンが有効になっていない場合)「ファイル」タブから「オプション」をクリック。「アドイン」タブから「分析ツール」を選択した状態で「設定」をクリック。「分析ツール」にチェックを入れて「OK」をクリック
②「データ」タブから「データ分析」をクリックし、ウインドウを開く
③ ウインドウで「回帰分析」を選択し、入力Y範囲に事象(ここでは購入意向率)、入力X範囲に要因(ここでは価格)を設定し、「OK」をクリック
④ 散布図に回帰直線を加える場合は、グラフを選択した状態で、「グラフのデザイン」タブから、「グラフ要素を追加」、「近似曲線」、「線形」をクリック
以降では、回帰分析の代表的な使い方である「要因の影響度測定」と「予測」について、触れていく。
「直線の傾き」から読み取れること
回帰分析を使うと、要因が購入意向率にどのぐらい影響を及ぼしているかを、調べることができる。
回帰分析における”直線の傾き”に注目しよう。傾きが右肩下がりになるほど、価格が増加したときに、購入意向率が減少する傾向があるといえる。
この例では、価格を10円増やすことで、購入意向率は約3%減少する傾向がある。この傾きの大きさを回帰係数と呼び、回帰係数の絶対値の大きさを、購入意向率への影響度を測る指標として使うことができる。Excelで回帰分析を行った際は、「係数」セルが指す値が回帰係数に相当する。
ここまでは価格という1つの要因が購入意向に与える影響をみてきたが、実際には複数の要因が絡む場合が多いだろう。例えば、先ほどのアンケートで、価格に加えて内容量も設定して聴取し、表2の結果を得たとする。
●表2
パターン | 価格(円) | 内容量(ml) | 購入意向率(%) |
A | 100 | 350 | 18 |
B | 110 | 350 | 11 |
C | 120 | 350 | 6 |
D | 130 | 500 | 22 |
E | 140 | 500 | 16 |
F | 150 | 500 | 12 |
ここでは要因が2つになったが、回帰分析では、要因を2つ以上組み込むこともできる。2つ以上要因を組み込む回帰分析は、重回帰分析と呼ばれる。3次元以上のグラフになってしまうため、図は省略するが、図2に示した直線と同様のものを、各要因に対して引くと想像してもらえればよい。
価格と内容量の2つを要因として組み込んだ「重回帰分析」を実施する場合を考える。価格と内容量、どちらがより購入意向率に影響を及ぼしているのだろうか。
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