重回帰分析を実施し、価格と内容量それぞれの回帰係数を比較すれば、どちらの要因のほうが満足度に与える影響が大きいかを測ることができる。
Excelで重回帰分析を行う場合は、回帰分析と同様(前述の「※参考」を参照)に操作を進め、入力X範囲に要因の2列を選択(ここでは価格と内容量)すればよい。
複数の要因を比較する際は、要因の単位の違いによる影響を取り除くため、回帰係数を標準回帰係数に変換し、その値で比較する。標準回帰係数とは、簡単に言うと単位の影響を除いた回帰係数である。
価格と内容量では同じ1でも意味合いが異なるため、こちらを用いる必要がある。例えば、価格の標準回帰係数が-0.4、内容量の標準回帰係数が0.2だった場合、絶対値で比較したとき、価格のほうが内容量より、購入意向率に与える影響が大きいことを示している。
「因果関係の誤認」に要注意!
回帰分析による影響を測るうえで、注意しなければならない点として、因果関係の誤認が挙げられる。
詳しくは前回記事(「靴大きい子は高学力?データ分析の怖い落とし穴」)を参照してほしいが、ここでは一例を取り上げる。
全国の小学生を対象に、靴のサイズを要因、学年を事象として、回帰分析を行ったとしよう。すると、あたかも靴のサイズが学年に大きな影響を与えているかのような結果が得られてしまう。
しかし、実際には、年齢が上がったために、靴のサイズと学年が上がっている訳であり、靴のサイズと学年に因果関係がないことは明らかである。この例の場合、変数同士の関係を正しく見極め、年齢を要因として、靴のサイズを事象として回帰分析を行うことで、因果関係の大小を指す影響度を測ることができる。
なお、さきほど紹介した回帰係数は、因果関係を示しているとは限らないので注意しよう。
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