
わが子を愛おしく思うのは当然のこと。ですが、子どもの未来を支配するような行動は、ちょっと考えものです(写真:mits/PIXTA)
親による子どもの虐待は、許されない絶対悪だ。では、子育てに熱心で過干渉な親はどうだろうか。教育にお金をかけ、それに答えられる能力のある子が期待通りに一流大学を卒業し、社会的地位の高い仕事に就く。すると親は、わが子を自分が作り上げた最高傑作だと勘違いしてしまう。そして、今度は嫁探し、婿探しと、子どもの婚活にもやる気満々で口を出してくる。
仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声とともにお届けしていく連載。今回は、婚活に口出ししてくる親とその子どもたちの問題を考えたい。
先日、都内在住のとものり(42歳、仮名)が、入会面談にやってきた。有名私大を卒業後、名前を出せば誰もがわかる上場企業に勤めている。ここ1年くらい婚活アプリで婚活をしてきたという。

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「それを知った母親が、『えっ、大丈夫なの? この間、婚活アプリにはロマンス詐欺が横行しているというのを、朝のワイドショーでやっていたから、アプリは危ない』と言うんです」
ロマンス詐欺にもいろいろあるが、この母親が心配するのは、SNSで知り合った超美人の若い女性(外国人が目立つ)が、恋愛慣れしていないウブな男性の気持ちを言葉巧みにあやつり、結婚をチラつかせ、その資金を作るために投資話を持ちかける。そして、指定口座に多額のお金を送金させ、突然姿を消す詐欺のようだ。
かわいい息子がだまされては大変
母親は、「かわいい息子がだまされては大変」と、自分で今の時代の婚活事情を調べ、結婚相談所にたどり着いたという。
結婚相談所には、仲人がいる。また、入会するにあたって、独身証明書や身分証明書、収入証明書、資格を有する職業の場合は資格証明書、短大卒以上は卒業証明書などの、公的書類を提出することが必須。なので、だまされることもないと思ったようだ。
「実際に、活動としては、どんなふうに進めていくのですか?」
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