「うちの子のお相手は30代」51歳男性の母親の主張 結婚できない中年男性の裏には過干渉親の存在

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たかしは有名私大を卒業した後、上場企業に就職。年収は900万。ただ、背が小さく、頭頂部も薄く、写真では年齢より老けて見えた。

ようこに、「知り合いの仲人さん推薦の男性なのだけれど、お会いしてみない?」と連絡すると、「はい。では、お会いしてみます」という返事が返ってきた。

そこでお見合いを成立させたのだが、その1週間後、ようこに1カ月の海外出張の話が舞い込んだ。ようこがこんな連絡を入れてきた。

「1カ月、日本を留守にするし、その前にお見合いして交際になったとしても、お付き合いができないから、今回のお見合いはキャンセルさせてもらえませんか? ペナルティはお支払いします」

そのことを相手相談室にメールすると、すぐにたかしの仲人から電話がかかってきた。「なんとかお見合いだけ、できないかしら。この男性、本当にお見合いが組めないんですよ」。そして、ため息交じりに続けた。

「お相手は20代後半か30代」と母親

「条件は悪くないし、たまに年の近い女性からお申し込みをいただくことはあるんです。でも、申し込みをすべて母親がチェックしていて、“辞退”で返してくる。実は、ウチに入会をさせたのも母親で、面談も2人で来たんですよ。母親が開口一番、『子どもが欲しいから、お相手は20代後半か30代前半の女性を希望します』と言うから、『それは、難しいですよ。51歳の男性だったら、お見合いできるのは40代の女性ですよ』と伝えたんです」

すると、母親は言ったそうだ。

「ウチの息子の経歴、年収だったら、お見合いの世界では上のほうでしょう? 女性もこの経歴ならば、お見合いするんじゃないですか?」

そこで、現実を知ってもらおうと、最初は、好き勝手にお申し込みをしてもらったそうだ。そのお相手も、どうやら母親が選んでいたようだった。もちろんまったくお見合いは組めなかった。

「それで、やっと現実がわかった。それでも申し込みをかけるのは、30代後半から42歳くらいまでの女性で……。今回、やっと組めたお見合いだったの」

この話を聞いて、たとえ無理やりお見合いしたとしても、経済的にも精神的にも自立しているようこが気に入る相手ではないと、私は思った。しかし、一度は成立させたお見合いだったので、裏事情は伏せて、「お見合いだけでもしてみない?」とようこに尋ねたのだが、彼女の気持ちはすでに海外出張に向かっていた。

「ごめんなさい。久しぶりの海外滞在なので、仕事に打ち込みたいんです。お見合いは辞退させてください」。そんな返事が返ってきた。

母親が自分のお眼鏡にかなう女性に申し込みを入れる。申し込まれたお見合いは、まずは母親が“息子にふさわしい女性かどうか”をチェックする。そして、51歳にして子どもが欲しいと思っている。

たかしの結婚までの道のりは、果てしなく遠い……。それは、誰にでもわかることなのだが、母親だけはわかっていない。

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