結婚しない人は「不幸」な人なのか?
「結婚もせず、独身で生きるなんて、そんな生き方は幸福であるはずがない」
そんな言説をいまだに耳にします。それが真実だとするなら、結婚しない男女「ソロモン」はみんな幸福ではないということでしょうか?
そもそも、実は日本人の幸福度自体が高くありません。アメリカのシンクタンク、ピュー・リサーチセンターが2014年に世界43カ国を対象とした調査によると、日本の幸福度は43点です。ちなみに、アメリカは65点、ドイツは60点であり、先進国の中では最下位のグループに位置しています。アジアの中でも中国やインドネシア、韓国よりも下です。全体的に、GDPの高さと幸福度とは正の相関にありますが、唯一日本だけがGDPが高いのに幸せを感じられない特殊な国となっています。今年3月に発表された国連の「世界幸福度報告書2017」でも、日本は155カ国中51位と決して高くはありませんでした。
日本人の幸福度が低い要因は、謙虚な国民性、メリットよりリスクを考える慎重さ、周囲との和を尊重する協調主義的な気質などいろいろと考えられますが、そもそも絶対的な幸福の尺度は存在しないため、その定義自体が難しい。これらの調査も、基本的にはアンケート形式による主観的判断です。小さいことに幸せを感じられる人もいれば、どんなにお金持ちでも、豪邸に住んでいようと不幸だと感じる人もいます。過去と比較して相対的に今が好転していれば、それはそれで幸福を感じるかもしれませんが、個人主観に依拠する相対的なものならばなおさら数値化は難しいでしょう。とはいえ、世界的に見て、日本人は幸福感を抱きにくい国民性であると言われていることは確かです。
同様に、よく言われるのが、家族を持たない未婚者は既婚者と比べて不幸度が高いということです。
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