そこから数日後。さとみの相談室から、“交際終了“の連絡が来た。さとみの仲人から来たメールには、厳しい言葉がつづられていた。
『ご両親様が、今回の結婚に反対をされていたようですね。そうした親のいる男性との結婚は、考えられないとのことでした。また、その反対理由というのが、きわめて侮蔑的、かつ職業差別のような内容なので、とても心外です』
このメールに、私はひたすらわびることしかできなかった。そして、あきおにはそうしたメールがさとみの相談室から来たことを話し、私からは、こう告げた。
「あきおさんと親は別人格です。育ててくれた恩は忘れてはいけないけれど、あなたの人生はあなたのもの。自分で地図を描き、道筋を作っていってくださいね。結婚相手は親が決めるのではなく、ご自身で決めてください」
相手を決めるのは母親ではなく自分
子どもがいくつになっても、過干渉だったり、支配、管理をしたがる親を、最近は“毒親”と呼んだりする。教育熱心だった親ほど、毒親になる可能性が高い。また最近は、どういう親の元に生まれてくるか子どもは選べないことから、スマホゲームやカプセルトイの「ガチャ」になぞらえ、“親ガチャ”という造語もある。
学生時代は生活費や学費などを出してもらい、親の傘の下にいるかもしれないが、社会に出たら一人前の独立した人間だ。結婚相手は親ではなく、自分が決めるべきだ。親と二人三脚のような婚活をしている婚活者は、今一度、誰の結婚なのかを考えてみてほしい。
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