2020年9月10日の「就活サイト『リクナビ離れ』だけではない異変」では2019年卒、2020年卒、2021年卒のデータを比較した。2019年卒では「マイナビ」と「リクナビ」の支配率が圧倒的に高く、「楽天みん就」以外はあってもなくてもいいような支持率だった。
2020年卒で異変が始まる。「マイナビ」と「リクナビ」が依然として強大で、「楽天みん就」が続く構図は変わらない。しかし、4位以下に新顔が目立ってきた。「ONE CAREER」、「就活会議」、「外資就活ドットコム」、「Offer Box」、「iroots」などの口コミ系や逆求人系の就活サイトが定着してきた。
2021年卒でも新興勢力の台頭は継続し、利用率は軒並み上昇した。とくに勢いがあるのは「ONE CAREER」。そして「リクナビ」の退潮が顕著になった。
2021年6月24日の「リクナビの退潮鮮明、『就活サイト』の人気が一変」では2022年卒データを取り上げた。「最も活用している就職サイト」で1位「マイナビ」、2位「ONE CAREER」、3位「リクナビ」という順位になった。2010年代はじめまで新卒採用の就活サイトといえば「リクナビ」を意味することが多かったが、風景は変わった。「マイナビ」の首位が定着し、「ONE CAREER」は2位の座を固めた。
依然「マイナビ」が首位
2023年卒学生での就活サイトの利用率を紹介しよう。使用データは、HR総研が「楽天みん就」会員を対象に2022年3月に実施した「2023年卒学生の就職活動動向調査」だ。
まず「活用している就活サイトTOP10(複数回答)」を見てみよう。ほとんどの学生は複数の就活サイトに登録して情報を集める。だから「活用している就活サイト」とは、「学生が認知している就活サイト」を意味する。
ほんの数年前まで「マイナビ」と「リクナビ」がそれぞれ9割を占めていた。しかし、2023年卒学生の利用率は激変した。「マイナビ」は依然として首位の座にあるが、77%と8割に届かない。「リクナビ」は3割近く下げて6割強、3位である。「楽天みん就」は文理ともに64%で2位。もちろんこの調査は「楽天みん就」の会員を対象にしているので、高いのは当たり前だ。
最も印象が強いのが4位の「ONE CAREER」だ。文理ともに5割を超えている。これまでの常識で考えれば、「マイナビ」「楽天みん就」「リクナビ」「ONE CAREER」の4強体制がこれからの就活年次でも続くと思うが、「ONE CAREER」を利用する学生はまだまだ増えると思われる。
もう1つ注目したいのは、口コミサイトと逆求人サイトの多さだ。「マイナビ」のような総合就活サイトに登録しても、その情報を口コミサイトで確認していることがわかる。また、現在の学生はとりあえず逆求人サイトに登録することが常識になりつつあることも数字で判断できる。
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