元ボクサー社長が「毎日殴る」令和のパワハラ実態 パワハラ防止法が中小に適用も効果は「未知数」

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4月からパワハラ防止法が中小企業にも適用されたが、「どこまで大々的な進歩があるかは未知数」とNPO法人POSSE代表理事の今野晴貴氏は語る(写真:大澤誠)
ブラック企業という言葉が定着して久しい日本社会。ネットで検索すれば「ブラック企業の見分け方」「ハラスメントへの対応の仕方」「過去の裁判事例」などを知ることができる。一方で「ハラスメントを受けた人の、その後の人生」が詳しく語られる機会は十分に存在するだろうか。
「ハラスメントが原因でうつ病を発症した」「働くことが怖くなり、経済的に困窮した」「夢見た業界を離れたことに、後悔を募らせている」……そんな人は、決して少なくないだろう。"加害者から離れたから終わり"ではないのだ。
そこで本連載では、ハラスメント被害者のその後に焦点を当てる。多くの当事者のライフストーリーを通じて、ハラスメントがいかに有害であるかを再検討しつつ、専門家へのインタビューを交えながら考えていく。
連載1・2回目では、パワハラ被害者の支援をおこなうNPO法人POSSE代表理事の今野晴貴氏に取材を敢行、パワハラや労働問題を巡る現状を聞いた。

中小企業では今後もパワハラが続く可能性

――『ハラスメント被害者の「その後」の話』と題した連載です。いじめを受けた子どものケア同様、ハラスメントを受けた大人のケアにも社会の関心がいっそう向けられるべきという思いから始まった企画です。

今野:ごもっともな指摘です。日本の社会の今を問う、大変重要なテーマだと感じます。

(編集補:連載に先駆けて、編集部では知人を辿っての聞き取りをおこなった。その中では、「外界と遮断された社屋に半ば軟禁されるようにして長時間労働を強いられたことで心に傷を負い、キャリアを絶たれた」という元エンジニアや、「上司から好意をもたれ、ストーカー化したことで体調を崩し退職を余儀なくされ、今なお通院中の女性」といった、当事者たちから体験談が寄せられている)

――今野さんは、NPO法人の代表として、多くの労働問題に関わってきた、現場の専門家です。ハラスメントをめぐる現状を伺っていければと思います。4月からパワハラ防止法が中小企業にも適用されましたが、どのような影響が考えられるでしょうか?

今野:結論から言うと、どこまで大々的な進歩があるかは未知数だと思っています。

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